古代の人はどのように空を感じていたのだろうか。そう思うだけで、どこか胸があたたかくなるような気がする。
なぜだろうか?なにかもっと豊かなものがそこにあるのではないだろうか。

土器に刻まれた渦をまく線描。空と大地がつながっているようにみえてくる。もしかしたら、そこに空が降りてくる感覚があるのではないだろうか。空と大地がつながっている。そしてそこに自分もいる。全てが同じにあるという実感。それを強く感じていたのではないだろうか。

縄文人の平均寿命は15年と聞く。今からみるとそんな短い一生ではあるけれど、中味は濃く豊かではなかっただろうか。

自然と一体となる感覚。そこにはなにも求めない空(くう)の感覚があったのではないだろうか。だからこそ自己の存在がなにものにも拘束されない、開放された透明なものであったのではないだろうか。

縄文人の心はあたたかった。そして身体のなかに中心、ふるさとがあった。
この図案をみてあたたかくなるのは私だけだろうか。

・現代、墓柱の空に向かう姿にその面影を感じます。