この9月から、娘はカナダ・オンタリオ州ロンドン市のウェスタン大学医学部で学ぶことになりました(3キャンパスとも合格したカナダ最難関のトロント大は結果的に滑り止めに)。コロナの影響で今後1年間すべての講義がオンラインで行われます。何と実験もオンラインです。オンライン実験ってどんなものなのでしょうか。おうちで受講するため、寮費も食費も浮いたのは親として非常にありがたいです。

 

 

 海外での子育てでよく話題になるのは、言語をどうするか、日本語補習校は行かせるべきか、習い事はどうするかですよね。うちの例を挙げてみます。

 

言語

 出産後は、娘の成長具合を見に週1回無料で訪問してくださった看護士さんの助言どおり、英語だけで(夫のみならず、私も)娘に語り、読み聞かせしました。

 2歳から夫は引き続き英語、私は日本語で会話と読み聞かせをしました。この頃、娘は日本語が全く理解できず、日本語の本の読み聞かせをしても閉じてしまい、2年間英語のみで育てたことをたびたび後悔しました。しかし、根気よく続けると、4歳で私の言うことが理解できるようになりました。

 4歳から現地のフレンチイマージョン幼稚園(英仏バイリンガル養成)に入園しました。さらに、5歳になると、日本語も話せるようになったため、私が勤務した米国ミシガン州の土曜日日本語補習校の幼稚園にも入園しました。しかし、私たちの住むウィンザー市からの越境のため土曜日の早朝6時に起こし、通勤通園に片道最低50分、入国審査や天候によっては90分もかかったため、娘がいやがったのと、私の米国就労ビザが期限切れ(2012年から再度取得しましたが)となったことから娘の補習校通いは断念しました。

 以後、日本語は通信教育教材で私が教えました。その甲斐あって11年生で日本語検定(JLPT)1級(N1)が取得できました。今年、珍しく、娘の高校に日本からの留学生(残念ながら、その後コロナ休校となり帰国)がいて、

「いつ日本からカナダに来たの。」

と聞かれたほど娘は日本語が流暢です。

 フランス語は幼稚園から娘の得意科目で、常に年度末の成績が90点台でした。今、娘は英語ネイティブながら、日本語をネイティブ並みに話して読み書きし、フランス語のチューターをしています。こうして娘は正真正銘の英語、フランス語、日本語のトリリンガルになりました。

 

 

習い事

 音楽とスポーツは小さい頃から身につけたいものです。

 私自身、4歳から中学までピアノを習っていたので、娘にも4歳でピアノのレッスンに通わせました。今、娘はRCM (Royal Conservatory Music) 10級(最高級)試験に向けてがんばっています。RCMピアノ教師コースは11年生で合格、取得しました。ピアノ教室の1次面接に合格し、今は2次面接の結果待ちです。

 

 

 3歳の時にトリノオリンピックでの荒川静香さんのフィギュアスケートの演技や金メダル受賞をTVで見て私と一緒に手を叩きながら喜び、

「私もやりたい。」

と言ったのですが、家計上、まずはバレエや体操などフィギュアスケートより安価なスポーツを習わせることにしました。

 一方、水泳も習わせたかったのですが、プールが深いと怖がるため、足がプールに届くようになるまで待ちました。

 こうして8歳でまず地元の無料スケート教室に通わせてみると、

「もっとやりたい。」

と言うので、スケートクラブで習い始めました。

 

 

 また、8歳でやっとプールの底に足が届くようになったので、コミュニティセンターでのLifesaving Societyの水泳講習会に通わせました。スケートも水泳も他の子供たちより3年程開始が遅かったのですが、みるみる上達し、ライフガードや水泳インストラクター養成講習会に参加する頃には最年少でした。

 

 

 11年生になると、ライフガード(水泳インストラクターの資格も無事に取得)やスケートコーチとして活躍し始めました。

 

学習

 娘は、幼いころから先生の話をよく聞いてまじめに学習するタイプだったので、勉強しなさい、とか、宿題をしなさい、と言ったことはありません。

 カナダは高校まで義務教育なので、できるだけ評判の良い高校の大学進学組、カレッジ進学組、就職組に出願(書類のみ、入試なし)し、合格通知をもらいます。娘は大学進学組に入り、熱心に勉強しました。高校では、毎年、成績優秀者として表彰されました。

 

 

まとめ

 娘が将来活かせるものを、と考え、習い事に通わせ、勉強は本人に任せました。こうして娘は英語、フランス語、日本語のトリリンガルで、フランス語のチューター、ライフガードやスケートコーチとなり、この9月からは医学を学びます。医学ではマルチリンガルが尊ばれるので、娘は3か国語が習得できてよかったと思います。

 

 みなさまもお子様の個性や将来を考え、必要に応じて助言しながら習い事や学習を身につけさせてあげくださいね。