日本では、卒業シーズンたけなわですね。

 

3月15日、カナダ在住の娘と私は、カナダ現地校の3月休みに合わせて一時帰国し、娘が中1と中2の時に体験入学させていただいた私の出身地にある公立中学校の卒業式に参加しました。この中学校には、小2と小5の時に同じ市にある小学校での体験入学以来の友達が通っていました。

 

「日本の義務教育は中学校までだから、卒業式が日本での友達に学校で会える最後のチャンスだよ。卒業したらみんな高校はばらばらになってなかなか一緒に会えなくなるよ。」

と、娘に言い、卒業式に出席することにしたのでした。

 

いくら体験入学させていただいたとはいえ、娘は部外者であることには変わりはありません。また、主役は卒業生なので、制服をお借りして一日卒業生のまねをするような大業なものではなく、あくまでも私達は臨席という形をとることにしました。まず、学校にメールでその旨をお願いしましたが、体験入学でお世話になった教頭先生が転勤されており、残念ながらお返事がありませんでした。

 

そこで3月9日朝、職員朝礼が始まる前を見計らって中学校に電話を入れ、中1の体験入学時の担任の先生に替わってもらい、卒業式臨席を直接お願いしてみました。すると、

「今、管理職がいないので何とも言えませんが(さすが公立中学校のベテラン先生、咄嗟の対応も万全)、そういう形でなら大丈夫だと思います。」

と、快諾をいただきました。

 

卒業式当日—。にこやかな表情で各担任の先生に誘導された卒業生が入場しました。司会の先生の

「卒業生、起立。礼。着席。」

の号令に合わせてぴしっと全員揃った挙動、国歌や校歌の斉唱。懐かしい日本の卒業式の光景は今も全く変わっていませんでした。

 

来賓の方々の祝辞。とりわけ市長の祝辞はこの市の中学校を卒業して市長となった方ならではの市や卒業生への思いが込められていました。

 

そして、卒業ソング。みんなとてもじょうずに歌う中、泣けてきて歌えない女子生徒もいて感動的でした。

 

 

祝電の電文と送信者の名前を司会の先生が読み上げた時、娘が小学校の体験入学でお世話になった先生のお名前があったのも感動的でした。

 

入場時には晴れやかな表情だった各担任の先生も退場時には涙をこらえながら卒業生を誘導されていたのも印象的でした。

 

卒業式終了後、中学校の前で、娘は多くの卒業生と先生方に囲まれ、一緒に一生の思い出を記念写真に収めていました。