シェッド水族館を出た瞬間、眩いばかりの大晦日の夜景に迎えられ、シカゴの街中を再び娘と徒歩で地下鉄ブルーラインの駅へと向かいました。

 

年末年始の寒波による厳寒(最高マイナス9.4℃、最低マイナス17.7℃)をものともせず、ダウンタウンのイルミネーションにうっとりしながら颯爽と歩く私達。

 

あれ?行けども行けども駅が見当たらない……そうです。私達は道に迷ってしまったのです。人に道を聞こうにも、まだ午後6時過ぎだというのに、この厳寒と、営業日なら繁華街のはずのシカゴ株式取引場近辺でさえ大晦日のため人影がなく、ばったり出会ってはその人たちに最寄りの地下鉄ブルーラインの駅への道を聞きましたが、

「こっちの方向だが、あとは誰かに聞いてみて。」

だの、

「あれだよ。」

と、Metraという別の鉄道の駅を指さされ、ブルーラインなんですけど、と聞き返したり……。

 

そのうち、セブンイレブンが見つかったので、レジのおじさんに聞いてみたら、

「右行って、右行って、下に降りる。」

と言われ、それって今来たばかりの道を戻ることになるけど、地下への降り口なんかなかったけどなぁ、と不審に思いつつもその通り歩き出すと……

 

煙草を吸いながら向こうからやってきた白人のおじさんに

「気をつけろよ。この辺は黒人がうじゃうじゃいるからな!」

 

何それ、私達殺されるってこと?やっぱりこの道おかしい!さっき、セブンイレブンのおじさんにうそをつかれたんだ、何も買わずに道だけ聞いたからうそつかれたんだ、あの人、私達二人が殺されようがどうでもいいんだ、と気づき、再び急いでセブンイレブンのあった角に引き返し、地下鉄の駅への案内板を見て足早に歩き、地下鉄への降り口発見!娘と一目散に駆け下り、無事に地下鉄のプラットホームにたどり着きました。

 

 

まだ6時半なのに、プラットホームにも電車の中も私達だけ。シカゴ・ダウンタウンの大晦日はカウントダウンで賑わうと思ったのは私たちの妄想でした。

 

あの綺麗な夜景の中、シカゴ・ダウンタウンの本性を見聞きさせられた気がしました。

 

近年、アメリカでは白人警察官が罪のない黒人を射殺する事件が後を絶たず、社会問題となっており、黒人だというだけで犯罪者と見なす白人がいるのはニュースで知っていましたが、それをまざまざと実感させられました。

 

去年4月にカナダ現地高校の合奏団に入っている娘はシカゴに演奏旅行に出かけ、夜にみんなで歩き、ユニクロ、ビーンで有名なミレニアムパーク、顔の映像で有名なグラントパークを見ていったが、人も多く、活気にあふれ、安全で楽しかったと言います。これらのあるミシガンアベニューは宵の口なら安全なのでしょう。

 

でも、大晦日の夜にミシガンアベニューを一歩西に入ったら、そこは人気のない闇の世界。