先週土曜夜、娘と二人でカナダ・オンタリオ州ウィンザー市のダウンタウンにあるキャピトル・シアターにミュージカル『レ・ミゼラブル』を観に行きました。チケットは一律に15ドルととても手ごろでした。出演者はすべて地元のカナダ人小中高生で、チケット代はすべて自閉症基金に寄付されます。つまり、昨年オーディションを受けて選ばれたこの小中高生たちは、全くのボランティアとしてこのミュージカルのリハーサルを1月末から取り組み、渾身の力をふりしぼった演技を見せてくれたのでした。その長い3ヶ月間もの猛特訓の成果は、役柄に応じて個性豊かでみごとでした。


このミュージカルのストーリーは、日本の帝国劇場での公演とほぼ同じでしたので、そちら をご覧ください。その画面の左上にある動画と同じ曲は、私たちの観たミュージカルの最後に出演者全員をバックに主演者が一人ひとり躍り出ておじぎをしていく場面で使われていました(ただし、いうまでもなくすべて英語でしたが)。宿屋を経営するテナルディエ夫妻のうち妻の役をした女子高生がずるそうでへらへらした役柄になりきって巧みに演じ、観客からとりわけ大きな歓声と拍手を浴びていたのが印象的でした。


若くてエネルギッシュで、しかも全くミスもなく堂々とした演技に、会場の観客全員の心が奪われました。最後は観客全員のスタンディングオベーションの中、惜しまれながら舞台の幕は静かに下りていきました。


 3時間のミュージカルはあっという間に終わり、劇場を出たのは夜の11時前でした。週末のこんな夜更けのダウンタウンを初めて娘と歩いて駐車場へと向かいました。劇場、バー、レストランのネオンサイン、タバコを片手に歩く女性、町角にたむろする若い黒人男性グループ・・・・・・どの光景もとても同じウィンザーとは思えないほど私たちの住む居住区のとは違っていました。そこはまるでニューヨークの一角のようでした。