3月に入り、海外では、日本語補習校の学年末が近づきました。成績表をもらって、新学年に向け、日本語学習の新たな目標を立てる時期でもあります。


成績のつけ方は、実は、日本語補習校と、現地校や日本での学校とでは異なります。何がどのように違うのかを知らないと、家庭での日本語学習に支障が出る可能性があります。


補習校では、一般に、在外国期間が長い生徒もハーフの生徒も、日本から転入してきたばかりの生徒も同じ教室で学びます。在外国期間が長い生徒やハーフの生徒は、日本でずっと日本語のみで学習してから転入してきた生徒に比べて日本語力が高くない傾向があります。この傾向は、学習内容が高まる小4以上の生徒に顕著に見られます。したがって、現地校や日本での学校と全く同じように到達度や相対評価でつけると、特に国語の成績は、長期在外生やハーフの生徒は芳しくなく、日本からの転入生だけが良い、ということになりかねません、そこで、補習校では、テストの点数は参考にしつつも授業態度、発言頻度、やる気などを重視しながら成績がつけられます。


つまり、小4以上では、補習校での成績がAであっても、国語力(日本語力)が維持できている、高い、とは限りません。週1回の補習校での学習だけでは、日本での週5日の日本語のみによる学習と比べて明らかに不十分です。海外では、お子さんの日本語維持向上には、家庭での毎日の日本語学習が欠かせません。