静岡県三島市にある佐野美術館に行ってきました。
『和歌の彩り』展(11月23・・・今日まで)
掛け軸、屏風や和歌と蒔絵、着物などのコラボ作品が展示されていて
興味深かったです。
なかでも、一番おもしろかったのが
“僧正遍昭歌意蒔絵硯箱”
秋草(女郎花(おみなえし))の中に、1頭の馬がいる・・・そんな蒔絵の硯箱です。
知識人ではないので、説明文を見るまでさっぱりわかりませんでしたが、
この蒔絵の図案は僧正遍昭の和歌から。
後世(たしか江戸時代)の人がインスピレーションをうけて作ったもののようです。
僧正遍昭和歌:
名にめでておれる許(ばかり)ぞをみなえし 我おちにきと人にかたるな
この歌意は、女色戒を破り、女性と関係をもったことを人に言うな、です。
蒔絵では、女郎花の中で落馬したことで上の意味を暗示させているようです。
和歌自体はエロ坊主感がプンプンしてきますが、
和歌に案を得て、硯箱なり着物なりを作るというのは
なんとも雅ですね。