会場は市内を見渡せるほどの高さのビルの最上階。
窓から花火が見えるという特等席。
花火に合わせて納涼祭という
なんとも粋な催し物だった。
生演奏を聴きたくても足を運ぶことが出来ない人も沢山いる。
中には人生最後の生演奏に触れる機会になる人もいるかもしれない。
それは年老いた人に限らない。
色んな人がいて色んな理由があるだろう。
自分にとっては沢山あるコンサートの一つであっても
その人にとっては大きな意味を持つことだってある。
勿論その逆もある。
だからと言って何をするべきだという話ではなく
それは個々の人生が重なる瞬間として大切に過ぎればいいなと思う。
いずれにせよ一期一会
その瞬間なんてすぐに消えてしまう。
だからその一瞬くらいは心が華やぐ時を届けたいもんだ。
ビルの最上階から見える打ち上げ花火は
そんな事を僕に感じさせながら
その一瞬を繰り返していた。