家には守り神がいます。
黒猫。
ちょっと弱気で慎重派な男の子です。
タロットリーディングを始める前に、コイツと戯れるとなぜだか心が落ち着くのです。
人間には宿命、ってのがあると思います。
僕自身は誰かを占うにあたって、そういう個人個人に組み込まれた「宿命」ってのはあまり重要視しません。
なぜって、そんなものを知ったところで明日は変えられないから。
明日をコントロールするための原動力ってのは、もっともっと本人の心のどこか、それも非常に分かり易い場所にある気がしてならないのです。
タロットにもやはり、占う内容によってその人の宿命を色濃く写すときがあります。
ただやはり、カード自身はあくまでそれを当人の人生のバックボーンとしてしかこちらに伝えてくれません。
どういうことか。
要するに、人生において一番大切なのは宿命や運命なんかじゃなく、「今ここで何を」という洞察力、決断力に他ならないという事なのでしょう。
さてさて、「今日のカード」です。
えぇっと、今日はちょっと難しいカードです。何が難しいかといいますと、このカードは恐らくタロットカードの中でも一番有名(悪い意味で)あり、なおかつタロットが一部の方々に気味の悪い印象を与えてしまっているからです。
解説しますね・・・
【死神】
です。
死神、なんて呼ばれているカードですが、実は僕の中ではかなり明るい印象を与えてくれるカードでもあります。
このカードの象徴する事。それは
「始めるための終わり、そして再生」です。意外でしょう??
そう、このカードが示している「死」とは、非常に深く、哲学的な意味を内包しているのです。
自らの意思で、何かにピリオドを打つこと。そして新しい場所へ勇気を持って踏み込んでいく事。
もっと簡単な言い方をすれば、「乗り越えていく」ということ。
【死神】はあなたにこう伝えます。
「あなたが想いを持っている以上、それは如何なる形で終わり、朽ち果てようとも、必ず次のステージの(土壌)となるのです。さぁ、踏み出しなさい」と。
タロットの世界において、死は創造の原動力なのです。
僕たちが普段恐れている「死」は、きっと何かを忘れてしまう事、そして自分自身が忘れ去られてしまう事、そういう事なのではないでしょうか。
僕たちが人生に想いを馳せる以上は、物事が本当の意味で「死んで」しまうことは無いのです。
死
それは、乗り越えなくてはいけないと同時に、乗り越えてしまえさえすれば、必ず僕たちを未来へ引き上げてくれる現象そのものなのです。