ガボンの2人がやって来た翌日、ものすごい頭痛に襲われた。
実はこの痛みには覚えがある。
あれは11年前。
オーストラリアにいたときのことだ。
ホストマザーに連れられて行ったクリスマスパーティ。
向こうでのクリスマスは、日本のお正月のような感じ。
親戚一同が勢揃いする。
普段から私はなるべく日本人と日本語ばかり話してしまう環境は
避けるようにしていたけれど、それでもなかなか
たくさんのオージーに囲まれて英語を全身に浴びる機会は持てない。
でもこの日は違った。
どこを見渡しても英語英語英語…
当たり前だけど、みんな英語を話している。
しかも語学学校とは違うから、本当にネイティブが
シャワーのように普通のペースで普通の会話を普通にしているのだ。
もちろん私も普段からみんなと英語でコミュニケーションをとっていたけれど
おそらくみんな、私と話すときは意識的にか無意識にか
はっきりわかりやすく話してくれていた(と思う)。
でも親戚同士、友人同士が揃った場でそんなこと起こるわけがない。
すごい速度の、すごくナチュラルな英語環境に浸ることになった。
するとしばらくして、それまでには感じなかった疲労を全身に感じたのだ。
なんかちょっと… 休憩。
そう思って、部屋の隅に座る。
頭が痛い。
特に体調が悪いわけでもないのに、かなりの激痛だった。
何か脳みそが、ものすごい勢いで動いている感じ。
その日はそのまま、頭の痛みは騙しだまし
みんなの中で楽しい時間を過ごした。
翌日。
「何コレ?!」
ものすごく、自分の英語力がアップしているのがわかった。
何故それがわかったのかはよくわからないけれど、
全身の感覚で、私はそれを察知した。
昨日のアレだ…
一日中、360度から全身英語浸けになったからだ!
数ヶ月のオーストラリア生活よりも、たった1日のあの場が
私の脳内の英語に対する何かを劇的に変えたのだった。
こんなことが起こるのなら、そりゃあ脳も痛くなるわけだ。
妙に納得。
それは私の、とても貴重でおもしろい体験として刻まれた。
そして11年後。
ガボンからのゲストがやってきた日。
私は脳みそフル回転で、フランス語と向き合った。
単語や文法といった知識よりも、全身でコトバと向き合うあの感覚。
その時、オーストラリアの英語浸けになった1日と同じことが起こったのだ。
頭がイタイ…
その痛みはもはや、私にとっては喜びだった。
と同時に、いかに普段脳みそを使っていないのかを思い知った。
…使ってるつもりなんだけどな~…^^;
使う部位が違うのか、使い方が違うのか、
はたまた本気で使っていないのか…
とにかく、あの痛みは大歓迎のものだということはわかる。
ものすごーーーく痛いけど。
1日半、寝込んだけど(笑)
頭がイタイというよりは、脳みそがイタイ、あの感覚。
みなさんもなったこと、ありますか?