それがわかれば苦労しないんじゃ…? | ことばの魔法 ことばのチカラ~ことば探検家ひろが見つけたコトバと人間

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ことばに宿る、不思議なチカラ。
人間の言語習得やコミュニケーション能力の奥深さはまだ解明されていないけれど、とんでもなくおもしろい。
気づいたら私のコトバ探検は本格化されていた。

韓国語の番組を眺めているといつも、つまらなくなる。

韓国語が、ではなく、勉強の仕方が。
実につまらなくさせてくれる。

学んだことにある方ならご存知の通り
韓国語には『パッチム』というものがある。

ウィキペディアによるとパッチム(받침、patchim)とは、
『ハングルにおいて〈子音+母音+子音〉などで構成される音節(閉音節)で
 最後の音をあらわす子音』


 …何ソレ?!


この時点で「もう無理っ!」と投げ出したくなる人がいても不思議じゃない。
事実、「パッチムで挫折しました~」という声は結構聞く。

なのにパッチムって、実はけっこう初めの方で学ぶのよね。


ハングル文字は基本的に母音と子音の組み合わせ。
でもいくつかは(…“いくつか”と言うには多いような気がするけれど^^;)
子音+母音+子音の組み合わせになる。

このパッチムがあるかないかで、次の言葉への繋がり方が変わってくる。


…のだけれど。


私はいつも不思議になる。

だってこれ、つまりは 『スペルを知ってるのが大前提』 っていうことでしょ?
それって本来は、かなり上のレベルの話じゃない?


『単語を覚えました
 → 文字を覚えて書けるようになりました
 → 最後の文字にパッチムはありますか?
 → あるならこう、ないならこういう風に変化します
 → 後ろの言葉と繋げて言ってみましょう
 → 文章がひとつ完成です』

これではいつまで経っても、韓国語は話せるようにならない。

韓国語で論文を書きたいとか通訳さんになりたいとか
そこまでではなくても韓国語の本を読みたいとか
そういう人なら、それはそれで必要なんだろうなと思う。

でも、ちょっと話してみたい、
韓国の人と少しでも韓国語で話せたら楽しいだろうな♪
というくらいの気持ちで韓国語に触れ始める人の入口がこれってどうなんだろう?


たくさんの音(韓国語)が自分のカラダに溜まった上で文字にしていく…
つまり、日本語と同じように 聞く→話す→読む→書く の順番で入れたら
もっと楽でしょうに。

私たち日本人が、日本語の動詞やら形容詞やらの活用を
使いこなしている上で学び、分解していくように。

「でもそれじゃあ勉強のしようがないじゃない!」 と思うのかな?

まぁ確かにね。
“勉強”したいならそうよね。


でも例えば、韓流ドラマが大好きで
見ているうちに何だか韓国語がわかるようになってしまった人がいる。

彼女達が、その上で韓国語を学ぶことにしたらどうだろう?

最初に音がある。
聞き取れている。

そして真似しているうちにけっこう話せちゃったりもする。

その上で“勉強”してみようと思ってとりかかるのは、
小学校で国語を学び始めるのと似ている。


『正しい韓国語』にのみこだわるのなら、パッチムはきっと欠かせない。
でも、『多少間違っていてもいいから話したい』のなら、パッチムは後でもいい。

少なくとも私だったら、日本語で「おもしろいでした」と言う韓国人がいても
「間違ってるからダメ!」とは思わない。
 (※ これについては一昨日の記事『おもしろいでした!』 を見てね♪)


な~んか、順番が逆。

だから語学で挫折する人が多いと思うんだけどな。

かく言う私も、そのパターンで学ぶのなら
早々に挫折する自信がある。

…残念ながら(笑)