聖闘士星矢と英会話 in オーストラリア | ことばの魔法 ことばのチカラ~ことば探検家ひろが見つけたコトバと人間

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ことばに宿る、不思議なチカラ。
人間の言語習得やコミュニケーション能力の奥深さはまだ解明されていないけれど、とんでもなくおもしろい。
気づいたら私のコトバ探検は本格化されていた。

マンガが好きすぎるとオタク扱いされる。
親に叱られる。

そんな考え方が主流だった、私の子ども~学生時代。

私は、母がマンガを楽しむ人だったおかげで
親からの軋轢はなかったけれど。

でもマンガは侮れない。
読まないなんてもったいない。

これが仕事に役立ったり、
英語やスペイン語での会話に役立っちゃったりするのだから!



私が小学生~中学生の頃、『聖闘士星矢』が流行っていた。

はじめのうちは、男の子たちが騒いでいるのを遠巻きに眺めていた私。
でも読んでみると、これがおもしろい!

そこには星座や神々が次々と登場する。
もともと星占いやギリシャ神話が好きな私は
すっかり夢中になってコミックスを読み漁った。

その中に、主人公たちが黄金聖闘士(ゴールドセイント)と戦うシーンがある。

黄金聖闘士は12人。
星占いに登場する、12星座を司っている。

 牡羊座(アリエス)のムウ
 牡牛座(タウラス)のアルデバラン
 双子座(ジェミニ)のサガ
 蟹座(キャンサー)のデスマスク
 獅子座(レオ)のアイオリア
 乙女座(バルゴ)のシャカ
 天秤座(ライブラ)の老師
 蠍座(スコーピオン)のミロ
 射手座(サジタリアス)のアイオロス
 山羊座(カプリコーン)のシュラ
 水瓶座(アクエリアス)のカミュ
 魚座(ピスケス)のアフロディーテ

うわ… 私、覚えてる!(笑)
子どもの頃に覚えたものって忘れないんだなぁ…

…って。
いえいえ、ここで言いたいのは記憶力の話ではなくて。
「記憶に残っている」ということも、とても大切なことなのだけれど!


マンガを描くとき、漫画家さんはいろいろなことを調べ
作品内に取り入れる。

例えば上記12星座のカッコの中の言葉。
これがあるのとないのとで、かっこよさが違ってくる。
全っ然、違う!

そして読者はそれをそのまま受け入れる。
アニメ化なんてされた日には、楽しく見ているだけで
その音がそのまま体の中に入ってくる。

そして、一度入ってしまったコトバは出ていかない。
普段は奥底にしまわれていたとしても、ふとした時に出てくるものだ。


私がオーストラリアでホームステイをしていたとき。
ホストブラザー(当時30過ぎ)が友人たちを交えて、何か話していた。
よくよく聞いてみると星座の話だと言う。


「ああ、でもひろはわからないでしょ。日本人だから。
 これは西洋の文化だ」

「え?わかるよ。日本にもあるもん」

「えー?!ないと思うよ」

「いやいや、あるよ」

「じゃあひろの星座は何?」

「アクエリアス」

「えっ!?本当に?!あるんだ!」


だからあるってば(笑)


ここでもし、私が聖闘士星矢を読んでいなかったら、
「アクエリアス」と答えられなかった。

12星座の星占いがあることを伝えても、
「水瓶座って英語で何ていうかわからない~」
という状態だったら、説得力に欠けたと思う。

そしてたぶん、普通は言えないのだと思う。
12星座を英語で言おうなんて、学校ではやらないし。

そもそもこの時まで、私はあの12星座を表すかっこいいカタカナ語が
英語だとすら思っていなかった。
考えたこともなかった。

思わぬところで、思わぬものが繋がったというわけ。

まさかマンガの知識が海外で役立つとはね~!!


でも、マンガが私の人生で役立ったのは
これだけではなかったのだ。