私は初めからこのざわざわの正体は分かっている。会いたいっと言ったのも、彼の事を忘れたい気持ちもあったが他に確かめたい事があったから。でも普通に私の事を心配している友達を想うと本音が言えない自分にヤキモキする。

 いつの間にか車は市内に戻ってきていた。時計を見ると日付けが変わろうとしている。私の帰宅時間まであと3時間。友達も朝から仕事なのに私に付き合ってくれている。これ以上連れ回すのも悪いと思い私は意を決して、運転する友達の膝に手をのせざわざわの正体を打ち明けた。

私)もしな、うちが抱いてって言ったらどうする?

友)どしたん?急に。

私)うーん急に違うんよ。会いたいって言った時から思ってたんやけど、言い出せなくて。だって10年ぶりに会って変やろ?久しぶりに会って、まだうちの事女として見れる?

友)ほんまにおかしな事言う人やな笑

私)いけん?

友)・・・。

少し沈黙の後、私の言葉を冗談ではないと感じ取った友達は、少し考えてから車を急にUターンして市内から少し離れていく。あまり土地勘のない私はどこに向かっているかわからない。しばらくするとホテルのネオンが目に入ってきた。

 ここでいい?中で話聞くわ。そう言って車を止め私たち2人はホテルに入っていく。


  つづく、、。