その友達と出会ったのは10年前。昔働いていたお店のお客さんだった。年下だけど自分をしっかり持っていて何かと優しい。まぁ、性癖は置いといて、、。

 外で会った事は一度もないが、私が店を辞めてからも連絡はとっていて私の数少ない男友達?いや、信用できる人だ。誕生日が近い事もあり私たちは何気に10年間やり取りが続いている。

 私は夏に知り合った彼の事を引きずっていて忘れるのに必死だった。その時最低な考えが私の頭をよぎる。もしかしたらこの人なら忘れさせてくれるかもと、、。

 私はメールを送った。会いたいと、、。

なんせ10年ぶりに初めて外で会う。何かあったのかと心配した友達は何も聞かずいいよと言う。私は旦那に夜勤に行ってくると嘘をついて家を出て友達との待ち合わせ場所に行った。

 車で迎えに来てくれたが車種もナンバーも聞いてない。待ち合わせ場所には何台か車が止まっている。一か八かで助手席の方から覗いてみた。

しかし10年の月日は長い。一旦ノックをするのをやめ、電話を鳴らそうとしたが、間違いないと不安が確信へと変わりドアをノックした。助手席に座り顔を見て久しぶり〜と言いながらお互い老けたねと笑う。でも面影はあり、優しい雰囲気は変わらない。少し安心した。とりあえず走らずでといい、目的地のないまま夜のドライブをする。


  つづく、、。