こんばんは。



8日の西宮芸術文化センターでの
新絃社 演奏会にお越し下さったお客様。

きっとご記憶にあると思います。

お箏 家元の狩谷春樹先生
妹の声楽家 西村紀子先生
弟のチェロ 尺八 フランス在住の狩谷千秋先生

ごきょうだい3人での、『沖積の歌声』という曲。


あの日 綺麗なドレス👗で歌われた、
西村紀子先生がお亡くなりになりました。


あの曲だけ、
お三方が座った状態で 舞台袖からの登場でしたね。
演出に見えるようにしていましたが、
実は事情がありました。

紀子先生は、ご病気で入院されていました。

前日の舞台リハーサルで、久しぶりにお見受けした紀子先生は、ずいぶんお痩せになっていました。

点滴やらいろんなものを全て外して、入院先からの外出でした。
おしどり夫婦でいつも一緒のご主人様が、紀子先生の座る車椅子を押しておられました。

私は、先生方三人でのリハーサルを、客席から見させていただきました。

以前 春樹先生が
『この舞台が、私たちきょうだいでの最後の舞台になる、、』と会議でおっしゃっていたことを思い出し、
胸が詰まりました。


歩くことが出来ないほど しんどいお身体とは思えない、素晴らしい歌声に感動し 動けない程でした。

その曲のリハーサルが終わるとすぐに舞台で、
春樹先生が 妹の紀子先生を強く抱きしめて、
『歌えたね、、歌えたね、すごいすごい』
『うん、声出た。』
と会話されました。

紀子先生、とても美しく 輝く笑顔をされていました。




演奏会当日、開演前、
受付にいてる私に、
深刻なお顔の女性3名が近づいてこられました。
聞くと、紀子先生の入院されてる病院の 担当看護師の方々でした。

前日リハーサル後、病院へ戻ったあと
かなりご容態が悪くなったらしく
本場前の いまの容態はどうなのか、心配でいらしたとのこと。


セキュリティーの関係で、部外者は一切楽屋には入れないのですが、上の方に連絡して入っていただきました。


そして、本場のあの素晴らしい舞台だったのです。



あの日から10日程です。



人生の最後に、
大きな舞台できょうだいで共演し、
全身全霊で、歌われた。
輝きをはなって、最後まで舞台の人でした。

紀子先生、ご冥福をお祈りいたします。



お元気な頃。