手の届かぬ背中 最終話 | NMB48小説

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試合当日。

彩先輩はなんだか落ち着かない様子でスタンドをチラチラと見ている。

「先輩?」

「え?あ、夢莉」

「忘れ物でもしたんですか?スタンドばかり気にして」

「ああごめん。今日美優紀が来るから気になってもうて」

ズキッ
まただ。


「そうだったんですね。頑張らないとですね」

「せやねん」


こんなに近くにいる私よりスタンドにいる美優紀先輩のことしか目に入らないのか…




カキーン
大きな快音と共に白球はスタンドへと吸い込まれていた。
今日の彩先輩も大活躍だった。
二本もホームランを打った。


けれどもダイヤモンドを走る彼の笑顔は美優紀先輩へ向けられていた。



それでも私は彩先輩が好き。
たとえ実らなくても…

手の届かぬ背中を私はこれからも見つめ続ける…