最近は印刷メディアよりもWeb用のコピーを書く仕事の方が多くなりました。印刷メディアも同時にWeb展開されることが多くなり、今後はさらにWeb用コピーの比率が高くなっていくことでしょう。

 

Web用のコピーを書く時にはいくつか注意点があります。一つは文字数。もともと広告コピーは読みやすく短くシンプルにというのが基本ですが、Webでは一文の長さだけでなく、全体の文字数を少なくしなくてはいけません。文字が多いと読む気を失わせてしまうからです。

 

特にスマホサイトは幅が狭く1行の文字数が少ないため、大した文字数でなくても行数が多くなり、1ページが縦に長〜くなってしまいます。ですから、印刷メディアで改行するところを、Webではさらに1行アキにするなど、少しでも見やすく読みやすくなるように工夫しています。

 

また最近はアカデミックな言い回しを避けて、漢字を使い過ぎず、誰にでもわかりやすい文章を書くようにしています。文章を読むのが苦手な人が増えていることもあり、ヒネリの効いたシャレた表現などはあまり求められないのです。楽といえば楽なのですが、ちょっと寂しい気もします。

 

そしてもう一つ重要なのがSEOです。本来は同じ単語は繰り返さず、書かなくても伝わる単語は省略するというのが日本語作文の鉄則なのですが、そうすると検索エンジンに引っかかりにくくなってしまいます。なのであえて同じワードを繰り返し使って、冗長な言い回しをすることもあります。

 
そんなWeb特有の制限の中で美しい文章を書くのは難しいし面倒ですが、そこが現代コピーライターの腕の見せ所でもあります。コピーライターも他の職業と同様に、時代とともに新しい技を身に付けていかなくてはならないのです。