一時期だいぶ涼しくなったんで、上下とも長袖長ズボンのスウェットを着てたのですが、今日はまた30度・・・ いったいどうなってるんですかね。今夏は異常な猛暑でその影響がまだ続いてるのか分かりませんが、こういうときに限って冬はものすごく寒くなるようなイヤな予感がします。
さて、ふと思い起こしてラリー・ハードがMr.Fingers名義で1992年にリリースしたアルバム『Introduction』の中古を探して買いました。じつはまだ聴いてる途中なんですが、若い頃に「Closer」のシングル(12インチ)を買ったことがあるんですが、まあそういう感じの音楽性ですね。あまりダンスフロア志向ではないというか。
深い考察とかではなくふと気になっただけなんですが、ハウスってやっぱシングル文化でアルバムを出すという感覚が基本的にはないですよね。たぶん80年代終わりから90年代初めの一時期くらいじゃないのかな? この時期はハウスがオーバーグラウンドに浮上してきた時期で、有名アーティストが大手レーベルと契約したころですよね。おそらくアーティスト側もレーベル側も売り方を模索してた時期で、その流れでアルバムを作ったんですかね? で、結局はインディーズへ戻る人が多かったんじゃないかと思うんですが、まあ試行錯誤の時期だったのでしょうか。
この時期のハウスのアルバムで私が思いつくのは(全部ということではなく代表的なものです)、Blaze『25 Years Later』(1990年)、Ultra Naté『Blue Notes In The Basement』(1991年)、Inner City『Praise』(1992年)、Lil' Louis & The World『Journey With The Lonely』(1992年)とかでしょうか。
これらの中で「ハウスのアルバム」と呼べるのはインナー・シティとリル・ルイスかなあ。ブレイズのはティミー・レジスフォードによるプロデュースですが、ハウスというより、マーヴィン・ゲイとかダニー・ハサウェイとかカーティス・メイフィールドとかの70年代の社会派ニューソウルへのオマージュですよね。CD版はドラマ仕立てになってるし。アルバムとしてのコンセプトや完成度を意識してるけどハウスかどうかとなると微妙というか。まあどっちでもいいんですけど。
ウルトラ・ナテはベースメント・ボーイズのプロデュースですが、どちらか言えばシングルの編集盤というイメージが強いかな。名曲揃いなんですけどね。
インナー・シティとリル・ルイスもシングルの寄せ集めといえばそうなんだけど、それよりもアルバムとしての統一感とかコンセプトを意識してるように思えます。インナー・シティはインナー・スリーブにポリティカルなメッセージを書いてるし。ところでリル・ルイスの方はマスターズ・アットワークのプロデュースなんですね。いま初めて気付きました。
Mr.Fingers『Introduction』はハウスのアルバムとしての統一感や完成度を意識してるように思います。あ、ディー・ライトやフランキー・ナックルズのアルバムは聴いたことないや。フランキーはアナログで昔持ってたっけ? 思い出せない・・・