DEATH, DEATH, DEATH, DEATH, DEATH💀
https://www.youtube.com/watch?v=BUCkeeGdn4U
ネタが古いですね・・・
さて、前回の続きです。Green Velvet - Preacherman
いわゆる黒人教会の牧師さんのお説教のパロディーですね。映画「ブルース・ブラザーズ」でのジェームス・ブラウンのアレとかの。私にとっては、この曲みたいなのがハウスの大事な側面なんですけどね。
まず、ハウスのルーツとしてニューヨークのアングラゲイディスコをみてみましょう。
こちらはThe SanctuaryでのFrancis GrassoのDJプレイの様子で1971年の録音だそう。フランシス・グラッソはイタリア系で異性愛者。サンクチュアリは教会だった建物を改装したゲイ・ディスコだそうで、ものの本によると客のほとんどはゲイで、店内には悪魔だか堕天使だかがまぐわう絵が描かれていたそうな。
グラッソは大きくふたつの点で評価されているようです。例えばジュークボックスだったら曲が終わったら次の曲がかかります。つまりふたつの曲の間に隙間があります。グラッソは2台のターンテーブルとミキサーを使い、ふたつの曲を途切れることなくミックスした最初のDJ(の一人)だとされています。これはダンスミュージックにおいて決定的に重要なことです。なぜなら音楽が途切れず続くということは、ダンスフロアは途切れることなく踊り続けられるからです。
もうひとつは、グラッソの音楽的嗜好。彼はソウルを中心にファンク、ロック、アフリカ音楽にラテン音楽もだったかな、とにかく踊れるものならジャンルにこだわらずに何でもプレイしたという音楽的雑食性。こういう雑食性を受け継いだグラッソの後継者たちは、後にニューウェイブやテクノポップを取り入れていくことになります。それとテクノロジーの発展により電子楽器が安価になったことが、ハウスやテクノみたいな機械で作るダンスミュージックの誕生に大きな影響を与えたと思われます。あまり自信はないですが、もしかしたらヒップホップもそうかもしれません。ただ、ヒップホップの出自はアングラゲイディスコではないので、そこは区別するべきところです。でも、偶然なのかなんなのか、アングラゲイディスコの系譜と初期のヒップホップDJたちのプレイリストは意外と似ていたという点は大事かもしれません。
時代は飛んで1985年、フランキー・ナックルズのDJプレイ。フランキーは“Godfather of House Music”であって最重要人物のひとりですが、ハウスというフォーマットが生まれた頃の空気が味わえます。フランキーは黒人でゲイ。
Frankie Knuckles - Live at Belmont Ave. Beach Gay Pride Day 1985 Side A
Frankie Knuckles - Live at Belmont Ave. Beach Gay Pride Day 1985 Side B
https://www.youtube.com/watch?v=jIe5LuRffKQ
A、Bとなってるからもとは海賊版のカセットテープでのリリースだったんですかね。80年代半ばに誕生した音楽ジャンルとしてのハウスを中心に、ソウル、ディスコ、ファンク、ニューウェイブ/テクノポップといったジャンルの音楽がミックスされています。
めっちゃホットなプレイじゃないですか? 一時期カーステなんかで聴きまくってた、個人的に思い入れのあるプレイです。
続いてはデトロイトのハウスDJ、ケン・コリヤーのプレイです。私の記憶では1995年のもの。この方も黒人でゲイだったと思います。あ、私がゲイかどうかをあえて書いてるのは、こういった音楽がどこで生まれたものなのかを知っていただきたいからです。
Ken Collier, DJ set, Heaven (Detroit) - Part I
これ、パート2もあるんですが、youtubeにはありませんでした。これも一時期聴きまくったなあ。1995年と1985年では時代が違い過ぎますが、ケンのプレイはより黒人音楽志向が強いというか、伝統的なブラックミュージックを意識した選曲になってるように感じます。
で、なんだったっけ? あ、そうそう、今回挙げたものはすべて文字通りの意味でのダンスミュージックであって、ハウスが単におしゃれなものではないということがご理解いただけると思います。
もちろんおしゃれなハウスだっていいものですよ。一口にハウスと言ってもいろんなサブジャンルがあるんで、好みのものをみつけたら爆音で聴きながら酒でも飲めばいいと思います。
本日のFirebird