乃木坂小説(ラノベ)「女坂」♯1? | こちら乃木坂の場末

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乃木坂46(のぎざかフォーティーシックス)に関するラクガキや個人的思想、
そして勝手に妄想ラノベとか書くかもしれません。
楽しく接してくれないと、オコだぞ!w

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「ぶぇっくしょ~~ん!」
短ランにロングスカートの少女は花粉症デビューした。
「くっそー、折角の晴れ舞台だってのにしまらねぇな。えっと・・・」
少女はスマホの地図に目をやった。
今から入学式が始まる高校に下見になんて来なかった。
その高校は余りにも有名だった。
試験なんて必要無いに等しかった。
そこは県内でも屈指の「エリート校」だった。
「待ってろよ。最恐のヤンキー高校、【坂乃下女学園】!」
朝露の衣装を纏った桜は凍えながらもその手にしっかりと未来の蕾を蓄えていた。

キーン・・・
「えー、本日は入学おめでとうございます・・・本日はお日柄もよく・・・」
キーン・・・
古いマイクのハウリングが響く体育館には冷やかしで見に来たごく少数の生徒がいるだけだった。
「ちょっと黙れハゲ!」
声を張り上げたのはみり愛だった。
「おい、まいちゅん。今年の一年はどうなんだよ?」と言いながら不思議な色のスムージーを飲む日奈子。
「お前それ美味いのか?」
「あ? まいちゅんお前も飲むか?  納豆スムージー」
「い、いや要らない!」
「お前お肌の曲がり角だろ?  OLのくせに」
「OL言うな!  でも、肌に良いのかい?」
「行ってみ」
「で、どうなんだよまいちゅん?」
聞き直したのは伊織だった。
「あー、私の情報網によるとさ。塩中の堀未央奈が来るだろうな」
「おー!  うちの母校じゃん!」
嬉しそうに声を張り上げたのは純奈。
「いや~後輩が来たか~うむうむ潰すけど」
「いや、うちら今年も一年だから同級生だし・・・」
静まる一同。
「つかウチのガッコーで進級した奴いんのか?  上が出てかないとかダメじゃね?  最強メンバー丸々残りやがって。キョーイクのスステムが悪りぃんじゃねぇ?」
「分かった分かった後でフライパン曲げさせてやるから落ち着け日奈子」
「ん?  あの先頭に座ってるの誰だ?」とみり愛。
「あ?  冷やかしだろ?」は日奈子。
「でも、やたらと背筋ピーンとしてねぇか?」とか伊織。
「校長が寂しいから人形でもおいてんじゃねの?」とロングスカートのスリットから自慢の美脚を出して椅子に乗せながら言うまいちゅん。
その矢先、先頭の黒髪が可愛くクシャミをした。
「動いてんぞ?」
「ちっと顔見に行くか?」
「そうだ。そうだ。新入生かもしんねぇしな?」
「チーム2期生が直々に挨拶してやらぁ」
徐ろに【チーム2期生】は立ち上がると大股で歩いて、あっという間に【新入生】を取り囲んだ。
どんなリアクションを取るかと思いきやピーンとしたまま【新入生】は微動だにしない。
服装の乱れなくセーラー服を着ている黒髪黒縁メガネの生徒。
「あ?  コイツが堀か?」
「い、いや知らんけどショートカットって情報なんだよな」
「こいつビビって動けねぇんじゃねぇ?」
「こいつ電源入ってんのか?」
「こいつの【やる気スイッチ】探してやれよ」
「うはははは!  ウケる!」
「・・・・・・・・・・・・・」
しかし反応が無い。ただの屍のようだ。
チーム2期生もお互いの顔を見合わせ、首を傾げたり、お前が話せよ。いや、お前が言い出しっぺだろみたいな訳の分からない雰囲気になった矢先。
「へっくち!」
メガネが突然クシャミをした。
驚いたのはチーム2期生である。
「「「わ~~っ!!」」」
「こ、コイツ動くぞ!?」みり愛が叫んだ!
「わぁ。いつの間にか寝てた~」とメガネが言った。
「お前、先生の話し中に寝てたらダメだろ!  ヤンキーか?」と言ったのは綺音だ。
「お前はどこ目線なんだよ?」ツッコむまいちゅん。
メガネは「2期生」を見渡すと急に立ち上がった。
「わ、な、何だ!  ヤル気かっ?」
そう言うと純奈は如何にもなファイティングポーズを取った。
するとメガネは、
「はじめまして~~。長濱ねると申しますぅ~~」と深々とお辞儀した。

県内屈指のヤンキー高校【坂乃下女学園】にはスクールカーストが存在していた。ヒエラルキーとも言う。
勿論その格差を生み出しているのはケンカの強さである。
その山の頂点に居るのが、この学園のトップ。つまり最強の存在だ。
その直下に実質No.2である【四天王】がいる。
その下が次期四天王候補がひしめく【チーム選抜】
そして次の階層から少しエントロピーが上がり、軍団化した3次団体がその座に収まろうと凌ぎを削っていた。
特に有力な軍団が【チームアンダー】だった。
それ以外には最近メキメキと頭角を現し出した【さゆりんご軍団】と【チームマッチョ】、【らりん一家】。
正直四天王以上の強力な武力により第三層以下の暴走を制し、何とか【学園】としての体裁を保っていると言っても過言ではなかった。


続くのか?