若年性認知症の旦那とうつ病の娘 -3ページ目

若年性認知症の旦那とうつ病の娘

54歳で若年性認知症と診断され…同時期うつ病と娘に告白された…

あれよあれよと看取りケアになってしまった旦那…
看取りケアの手続きを終えた後、看護師さんから明日から部屋にお花を飾らせていただきますと言われ…

えっ!お花?

死を待つだけの入所者に対する施設側の心づかいなのかな?

なんだかあまり良い気持ちにはなれなかった。


この頃の旦那の呼吸はすでに荒く、口だけで呼吸している状態だった。

口の中を潤してあげるために、介護士さんに旦那の好きなカルピスを作って貰い、それをストローで吸う事が出来なくなった旦那の口の中に何度もストローで垂らす…ゴクンと飲み込んでくれるのが嬉しかった。


ベットの傍らで、会話の出来ない旦那に顔を近づけて私が一方的に話しかていると…

私のマスクを外そうとする…

「何?私の顔が見たいの?」

マスクを外し…「どう?」と顔を近づけておどけてみた…笑ってるのは私だけ…


「がんばれるかなぁ?」

それには手を振って頑張れないと答えた。


そうだよね…もうご飯も口に出来ないし、水分だってまともに取ることも出来ない…口で呼吸して苦しい状態なのにね……頑張れとは言えないのに私は何を言ってるんだろうと心の中で反省した。


次に何気に出て来た「幸せだった?」の私の言葉に旦那は即座に首を縦に振ってくれた。


⁇⁇

今まで意思疎通が出来て無かったのに…

手を振って答えてくれたり…

頷いてくれた…

私の勝手な解釈なのか?

いや…確かに頷いてくれたよね…


旦那の認知症という病気が治ったんじゃないかと思えた…


でもこれが最後の意思疎通だった…