3月29日(土)の日経新聞に「ローソン、製法・素材発掘」という記事が掲載された。ローソンがSPA(製造小売り)を目指す戦略が加速している。セブンプレミアムを中心に売上全体の6割を独自商品(プライベート・ブランド)で展開するセブン-イレブン・ジャパンをはじめとする競合各社と一線を画する商品の提供につなげたいようだ。これまで小売業の独自商品と言えば、メーカーの既存製品のパッケージやネーミングの変更やわずかな改良を施すレベルの開発が多かったが、技術や素材選びからローソンが関与するかたちで、独自の商品を開発しようという取り組みのようだ。

ローソンは専門部署「イノベーションラボ」を立ち上げ、複数メーカーのもつ技術と自社の購買データを組み合わせて、メーカーと協力して新しい商品の開発を進めている。たとえば、味の素がもつ「カプシエイト」という脂肪燃焼効果が期待できる成分をロッテのガムとタブレット菓子に入れた商品が開発され、すでに発売されている。

「SPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)の略)」は、1986年にアメリカの衣料品小売大手のギャップ(GAP)によって最初に提唱されたビジネスモデルで、独自のブランドとそれに特化した専門店をもち、商品の企画・開発及び販売機能を自社でもつ小売業態を表す言葉で、製造から小売りに至るサプライチェーンを高度に垂直統合したビジネスモデルだ。日本では家具のニトリやカジュアル衣料のユニクロで有名だ。

 ニトリやユニクロが脚光を浴びる前の家具や衣料品の業界に共通することは、素材や部品の製造から最終製品の製造、一次卸、二次卸、小売と、サプライチェーンが長く、返品や在庫リスクが大きく製品価格に転嫁されている非効率だ。ニトリやユニクロは小さな小売店から出発して、消費者とダイレクトにビジネスができる店舗を軸に、非効率なサプライチェーンの機能を効率化して自社に取り込むことで、SPA型の企業として成長を遂げることができたのだ。

国内経済の委縮傾向が続き、激しい価格競争を展開する中、大手小売業のSPA化が加速度的に進行している。サプライチェーン全体の中で激しい付加価値争奪戦が繰り広げられている。ポイントカードや電子マネーで消費者を囲い込む巨大な小売業とメーカー各社の新たな競争と共存の関係が始まっている。