日本のお家芸と言っても過言ではない電機・電子部品メーカーが元気だ。自動車やスマートフォンといった最終製品の進化をけん引するかたちで、独自のポジショニングを確立している。

スマートフォン1台に600個も使われている積層セラミックコンデンサー市場で35%のシェアを握る村田製作所の強みは価格競争に巻き込まれることのない独自性だ。村田製作所がアップルを始めとするスマートフォンに供給するコンデンサーの大きさは縦0.4ミリメートル、横0.2ミリメートルで、その中には0.5マイクロメートルのセラミックシートが100層も重ねられている。材料の配合、焼き方、積層の方法と、独自の技術が他社にはマネのできない付加価値の高いモノづくりを可能にしている。独自の技術力で先頭を走る村田製作所は、今、運転手の死角にいる歩行者等を検知できる超音波センサーで賢いクルマの進化をけん引しようとしている。

昨年、10月末の日経新聞にホンダが電子部品子会社を日本電産に売却することを決めたとの記事が躍った。ハードディスク用の小型のモーターを筆頭に世界のモーター市場を席巻する日本電産は強みのモーターを橋頭保にして賢いクルマ市場への進攻を強めている。日本電産が買収したホンダエレシスを通じて、レーダー反射の弱い歩行者をカメラなしで検知できる特殊なレーダーの開発で衝突回避システムの進化に一役買おうというのだ。

電機・電子部品は「引き寄せる」「詰める」「折りたたむ」と、小さくすることが得意な日本人の個性が最大限に発揮できる分野だ。一寸法師や桃太郎のように小さなヒーローたちを童話の主人公に仕立てるのも日本人の特徴だし、トランジスタをポケットに入るようにしたのも、バカでかい自動車をコンパクトにしたのも、世界のコミュニケーションを支えるスマートフォンを現実に機能させているのも日本人だった。今、日本の電機・電子部品の業界は、スマートで安全・安心な次世代のクルマづくりへの挑戦を始めている。