リーダーシップ(Leadership)。聞き慣れた言葉だ。
広辞苑によると、リーダー(Leader)とは指導者、先駆者を意味し、リーダーシップとは、リーダーとしての地位、任務、資質、能力、力量、統率力のことを意味する言葉とされている。私たちが日常抱いているイメージそのものではないだろうか。

私たちは何かのまとめ役になったり、先輩になったり、人を指導する立場になったり、経営管理職者になったりすると、「リーダーシップを発揮しなさい」などと言われることがある。では、「リーダーシップを発揮しなさい」と言われて、私たちは具体的にどのようなアクションを起こせば良いのだろう。

意外にもこの質問に答えられる人は多くない。ベテランの経営管理者でさえ例外ではない。経験的に、そして何となくイメージとして理解しているものの、具体的に実行するべき内容が箇条書きで頭に叩き込まれていないからだ。

広辞苑の言葉を使うと、リーダーシップを発揮するということは、リーダーとしての任務を全うすることだ。それには次の5つのアクションが必須となる。

❶「目的」「目標」を明示すること
❷目標達成の「手段(方策)」を明示すること
❸目標達成に関係する人々の「役割」を明示すること
❹個々人に働きかけて、目標達成に向けて「個を動かす」こと
❺集団に働きかけて、目標達成に向けて「集団を動かす」こと

目標とは未来の一定の時期に得たい結果だ。しかし、達成時期や達成水準が不明瞭な目標もあれば、関係者の気持ちを動かすことのできない白けた目標もある。目的に照らすと、目標自体が誤っている場合でさえあるのだ。

これからの時代、目標を明示して、「あとはお前らで考えろ」というスタイルのリーダーには退いてもらわなければならないだろう。リーダーとは「指導者」であり「先駆者」だ。過去の延長線上にない未来を切り拓いて行く時代のリーダーには、目標達成の手段を部下任せにせず、少なくとも方向性レベルの手段を明示することが求められている。これからは、勝手に登る山を決めて、好きなように登れというリーダーでは失格だ。山の頂を目指すルートを明確に提示しなければならない。

目的、目標、達成手段が決まれば、次にリーダーのとるべきアクションは役割分担だ。誰が、どのような役割を担い、どのように協力して目標達成に向けて行動するのか。それを決定し、関係する人々に周知徹底しなければならない。各々の役割が、どのように目標達成に結び付くのかを個々に、そして互いに理解させなければならない。

役割分担が決まれば、あとは、個人が、また集団が、元気よく、効果的に、そして効率的に目標達成へ向けて行動できるように指導・支援することがリーダーのとるべきアクションとなる。目標達成へと動き出す個人に働きかけ、彼や彼女の意欲と能力を最大限に発揮せしめるべく、適切な指導と支援を行い、本人の立場や能力を超える障害を除去してあげる必要がある。個人とは別に、集団は集団として活性化を図り、目標達成に向けて組織集団としてのパフォーマンスを高める必要もある。

「リーダーシップを発揮しなさい」と言われたら、5つのアクションがさっと思い浮かぶように、常日頃から意識をしてほしい。そうすることで、自らのリーダーシップにおける課題が見えてくるからだ。課題が見えてくると、より効果的なリーダーシップのスタイルや方法を手に入れるために、自分が何をしなければならないのかも見えてくる。そうすることで、より実践的な学習が可能になるのだ。

本稿から業績アップ実践講座『実践!リーダーシップとマネジメント』がスタートする。次週、第02話でマネジメントについて少し話をしてから、第03話から優れたリーダーシップを発揮するポイントについて順次話を進めて行く予定だ。是非、ご自身の課題と睨めっこしながら、本講座にお付き合いいただきたい。