平成29年(2017年)8月9日(水)

蝠聚会《文楽座三味線弾きが語る素浄瑠璃の会》

@国立文楽劇場小ホールに行ってきました。

 

{5AD6B084-FE1C-481E-8C2C-58828F49657D}

{A52A0677-5F44-4959-956E-82A90F599A68}

人形浄瑠璃文楽の

1ファンが書いたゆるいレポートとして

一笑に伏していただけると幸甚に存じます。

 

12:50頃

チケットをモギってもらって

ロビーに入ると

鶴澤燕二郎さんが

床本のコピーと

リーフレットを渡して下さいました。

(私の心の中:

ヒエー、燕二郎さんから直で手渡してもらったよ。

これだけで来た甲斐があったよ~。)

 

{12162AB4-A218-4E80-95E2-686BE4A078C2}

「あと5分で開演となります!」

声の主は

竹澤宗助さんでした。

(私の心の中:

宗助さんが開演のお知らせしてるやん。

名人が開演のお知らせをしてくれる会って

無いよ。

リーフレット手渡すのも

開演のお知らせも

劇場のスタッフさんに

任せればいいのに

三味線弾きさんが直々にやっている。

この会の魅力が

開演前からバシバシ伝わってきました。)

 

13:00開演

 

{E08FC434-7701-4A0C-867B-9646E0F90EFB}

口上は

舞台袖から、でした。

 

とざい、とうざーい。

この度、お聞きいたしまするは「草津乳母餅」。

あたりまするは、

鶴澤清介、鶴澤清公~。

とざい、とうざ~い。

 

 

浄瑠璃を語った三味線弾きさん

全員が

上手い!

上手すぎる!

 

美声!

声量たっぷり!

情感がこもってて

音(オン)も美しい!

 

語られた段(演目)も

それぞれのキャラクター(ニン)に合った選択で、

素晴らしかったです。

 

トップバッターの鶴澤清介さんが語った

草津乳母餅。

 

文楽で見たことが無いよなぁ、、、と

思って

文化デジタルライブラリー

(国立劇場、国立文楽劇場、朝日座(昭和41年9月以降)において、これまでに上演された文楽公演に関する情報を検索可)で

文楽の上演記録を見ても出て来ないんです。

 

草津乳母餅でググッても

草津名物の姥が餅の情報ばかり。

 

ロビー入り口でもらった床本のコピーを読んでいて

気になったフレーズがこちら。

 

コレ近年は人間も後生を願い、

信心にこり固まり、

みな極楽へ赴く。

それで地獄は暇になり、

熱鉄かびる、

火の車は蜘蛛が巣を張り、

番頭の惧生神は帳筆やめて屈託顔。

 

【地獄が暇になる】世の中って

良いやん。

なのに「信心にこり固まり」って

まるで信心することが

悪いことのように浄瑠璃で語られるのは

なぜ?

この作品が生まれた舞台背景が

気になって仕方ないのです。

 

次は

草津乳母餅 浄瑠璃

で検索。

昭和51年(1976年)の邦楽鑑賞会

新内の夕べ

 

草津名物姥ヶ餅-姥ヶ餅-が

ヒットしました。

 

ここに

浄瑠璃 草津乳母餅を深く鑑賞するヒントが隠されている気がしました。

 

文楽を見に行くときは

舞台上の

人形ばかり見ている私です。

(先日、文楽終演後、

エスカレーターで下りてくる時、

若い娘さん2人が

「床(太夫さんと三味線弾きさん)しか

見ないよね。」と会話しているのを聞いて

ビックリしました。)

 

長年

文楽ファンをしていますが

素浄瑠璃を聞きに行った回数を数えると

5回以下かと思います。

 

それ故に

三味線弾きさんをジッと見れたの

貴重な経験でした。

 

鶴澤清公さん・・・

まっすぐ前を見て三味線を弾いておられました。

中西らつ子さんは、

たくさんの技芸員さんを

イラストに描いておられますが

清公さんの似顔絵が一番似ていると思えてきました。



竹澤團吾さん・・・

演奏中、

ず~っと目を閉じて弾いていらっしゃいました。

虚無僧か琵琶法師か?と思わせるいでたちでした。



鶴澤藤蔵さん・・・動の演奏でした。



鶴澤友之助さん・・・

藤蔵さんのツレでしたので

静の演奏のように思われました。



鶴澤燕二郎さん・・・

一番お若い三味線弾きさんなのでしょうか?

前途有望だと、ある技芸員さんからお話を伺ったことがあります。

 

家で文楽を見るときは床本を読みますが

舞台上演中は

イヤホンガイドさんに頼りっきりで

床本を読むことに慣れていません。

 

そんな私でも

 

公演のトリ

鶴澤燕三さんの

『恋女房染分手綱』重の井子別れの段の

クライマックスでは

涙してしまいました。

 

会場のあちこちから

すすり泣く声が聞こえてきました。

 

三味線弾きさんが

より深く浄瑠璃を理解できるようにとのことで

始まった勉強会だと

ネットで知りました。

 

本業が三味線弾きでありながら

太夫として

お客さんを泣かすことができる技芸に

ただただ感心した蝠聚会でした。

 

全部の素浄瑠璃が終わった後

出演の皆さんが

舞台に出てきて下さいました。

 

締めの挨拶は

文楽座の爆笑王

鶴澤清介さんです。

 

来年は

20回目ということで

東京公演も予定されているそうです。

 

関東の皆様、

お楽しみに。

 

文楽座の爆笑王清介さんと

落語作家小佐田定雄さんのイベントレポートは

こちら。

↓ ↓ ↓

2014年6月25日(水)第101回文楽のつどいレポート

 

古典芸能案内人

天野光でした。

 

 

***メニュー***

地方自治体生涯学習セミナー、

小学校、中学校、高校、大学への

出前講座も受付中です。

下記お問い合わせフォームからご連絡下さい。

 

お問い合わせフォームはこちら

 

私のフェイスブックはこちらから。

フォロー、お友だち申請はお気軽に!

https://m.facebook.com/amano.hikaru.2

インスタグラムはこちらから。

https://www.instagram.com/amanohikaru.amasan/

ツイッターはこちらから。

フォローはお気軽に!(フォロバします。)

https://twitter.com/amanohikaru2

HP「早期退職者の知的生活」も更新中

http://artcoordinator.com/

You Tube古典芸能案内人天野光チャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCTfSpq9VvUNM5065DoXMxAg