カネ守り太郎じゃ!「株」の次は「先物・デリバティブ」の戦場へ足を踏み入れたな。 ここはハイリスク・ハイリターンの世界ゆえ、お代官様のルールも一段と厳格……というか、冷徹じゃ!

租税特別措置法第41条の14第1項。ここには、先物取引で負けた者への「情け無用」の鉄則が刻まれておる。


1. 解説:【隔離】先物の損は「なかったこと」にされる!?恐怖の分離課税

金(ゴールド)や日経平均先物、FX(店頭デリバティブ)などで勝負している皆の衆。 儲かった時は一律15%(+住民税5%)の分離課税で済むが、負けた時は地獄を見るぞ。

① 鉄のカーテン:他所得との通算禁止

先物取引で1,000万円の損を出したとしよう。 「よし、給与所得や株の利益から差し引いて、全体の税金を減らそう!」……そう思っても、お代官様は首を縦には振らぬ。 **「先物の損は、先物の利益からしか引けぬ。他の所得と混ぜるなど、言語道断!」**というわけじゃ。

② 衝撃の「生じなかったものとみなす」

条文の最後を見てみるが良い。「当該損失の金額は生じなかったものとみなす」。 これは実に恐ろしい言葉じゃ。「損をしたという事実そのものを、税金計算の場から抹消する」ということ。 つまり、他の所得(給料や不動産など)の税金を安くする効果は1円分も持たせないという断絶を意味しておる。

③ 先物グループ内での「内紛」は解決OK(施行令26条の23)

ただし、先物グループの「仲間内」なら助け合いが認められる。

  • 商品先物の赤字 ⇔ 日経先物の黒字

  • FXの赤字 ⇔ 商品先物の黒字 このように、政令で定められた「先物取引」の枠内であれば、事業所得・譲渡所得・雑所得の壁を越えて損益を通算できるのじゃ。


2.  図解:先物取引の「絶対隔離」

先物の損がなぜ「無効化」されるのか、視覚的に理解するのじゃ!

先物取引の損益通算「不可」の断絶

一般・総合課税の世界
  • 給与所得 💼
  • 事業所得 🌾
  • 不動産所得 🏠
ここへ損を運ぶのは…

先物取引等の世界
  • 商品先物 🪙
  • FX・デリバティブ 💹
大赤字!😭
「生じなかったものとみなす」 (=他の所得の節税には一切使えない!)

 

 

先物取引の損益通算禁止と税金

(先物取引に係る雑所得等の課税の特例)

第四十一条の十四 居住者又は恒久的施設を有する非居住者が、次の各号に掲げる取引又は取得をし、かつ、当該各号に掲げる取引又は取得(以下この項及び次条において「先物取引」という。)の区分に応じ当該各号に定める決済又は行使若しくは放棄若しくは譲渡(以下この項及び次条において「差金等決済」という。)をした場合には、当該差金等決済に係る当該先物取引による事業所得、譲渡所得及び雑所得については、所得税法第二十二条及び第八十九条並びに第百六十五条の規定にかかわらず、他の所得と区分し、その年中の当該先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額(以下この項において「先物取引に係る雑所得等の金額」という。)に対し、先物取引に係る課税雑所得等の金額(先物取引に係る雑所得等の金額(次項第四号の規定により読み替えられた同法第七十二条から第八十七条までの規定の適用がある場合には、その適用後の金額)をいう。)の百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する。この場合において、先物取引に係る雑所得等の金額の計算上生じた損失の金額があるときは、同法その他所得税に関する法令の規定の適用については、当該損失の金額は生じなかつたものとみなす。

一 商品先物取引等(商品先物取引法第二条第三項第一号から第四号までに掲げる取引(同号に掲げる取引にあつては、同号イからハまでに掲げる取引を成立させることができる権利に係るものに限る。)で同項に規定する先物取引に該当するもの(同条第九項に規定する商品市場において行われる同条第十項第一号ホに掲げる取引を含む。)又は同条第十四項第一号から第五号までに掲げる取引(同項第四号に掲げる取引にあつては、同号イからハまでに掲げる取引を成立させることができる権利に係るものに限る。)で同項に規定する店頭商品デリバティブ取引に該当するもの(同条第二十三項に規定する商品先物取引業者を相手方として行うものに限る。)をいう。以下この号において同じ。) 当該商品先物取引等の決済(当該商品先物取引等に係る商品の受渡しが行われることとなるものを除く。)

二 金融商品先物取引等(金融商品取引法第二条第二十一項第一号から第三号までに掲げる取引(同号に掲げる取引にあつては、同項第四号から第六号までに掲げる取引を成立させることができる権利に係るものを除く。)で同項に規定する市場デリバティブ取引(同条第二十四項第三号の二に掲げる暗号等資産又は同法第二十九条の二第一項第九号に規定する金融指標に係るものを除く。)に該当するもののうち政令で定めるもの又は同法第二条第二十二項第一号から第四号までに掲げる取引(同項第三号に掲げる取引にあつては、同項第五号から第七号までに掲げる取引を成立させることができる権利に係るものを除く。)で同項に規定する店頭デリバティブ取引(同条第二十四項第三号の二に掲げる暗号等資産又は同法第二十九条の二第一項第九号に規定する金融指標に係るものを除く。)に該当するもの(第三十七条の十二の二第二項第一号に規定する金融商品取引業者又は登録金融機関を相手方として行うものに限る。)をいう。以下この号において同じ。) 当該金融商品先物取引等の決済(当該金融商品先物取引等に係る同法第二条第二十四項に規定する金融商品の受渡しが行われることとなるものを除く。)

三 金融商品取引法第二条第一項第十九号に掲げる有価証券(同条第八項第三号ロに規定する外国金融商品市場において行う取引であつて同条第二十一項第三号に掲げる取引と類似の取引に係る権利を表示するものを除く。)の取得 平成二十二年一月一日以後に行う当該有価証券に表示される権利の行使(当該行使により同条第二十四項に規定する金融商品の受渡しが行われることとなるものを除く。)若しくは放棄又は当該有価証券の譲渡(同条第九項に規定する金融商品取引業者に対するものその他の政令で定める譲渡に限る。)

 

(先物取引に係る雑所得等の金額の計算等)

第二十六条の二十三 法第四十一条の十四第一項に規定する先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額として政令で定めるところにより計算した金額は、その年中の同項に規定する先物取引による事業所得の金額、譲渡所得の金額及び雑所得の金額の合計額とする。この場合において、これらの金額の計算上生じた損失の金額があるときは、当該損失の金額は、次の各号に掲げる損失の金額の区分に応じ当該各号に定める所得の金額から控除する。

一 当該先物取引による事業所得の金額の計算上生じた損失の金額 当該先物取引による譲渡所得の金額及び雑所得の金額

二 当該先物取引による譲渡所得の金額の計算上生じた損失の金額 当該先物取引による事業所得の金額及び雑所得の金額

三 当該先物取引による雑所得の金額の計算上生じた損失の金額 当該先物取引による事業所得の金額及び譲渡所得の金額

 

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