ブログの閲覧、ありがとうございます。

 

今回は固定資産税の合格点について触れたいと思います。

 

よく巷では、「(ミニ税法の)試験の結果は満点だった」という方がいらっしゃいますが、これは明らかに嘘です。

過去のブログでも触れましたが、満点の解答は試験委員のみが知るものであって、T社もO社もそれは知らないからです。ましてや試験結果をすべて記録することのできない受験生などもっての他です。

彼/彼女の言わんとしていることを翻訳すると、「自分の書いた答案はO社又はT社の答案と同じであった」なのでしょうが、O社内ないしT社の解答はワープロ打ちされていますので、手書きの答案がそれと完全に一致していることは明らかな間違いです。

仮にそのようなセリフを聞かれた方は、「このような方が税理士の知的レベルを下げているのだな」と思って差し上げましょう。

 

よって、ミニ税法とはいえ、「満点」なる概念はない、というのが第一前提です。

 

そして、税理士試験の公告によると、合格点は60点、と決まっています。その文章が虚偽であれば、警察の冤罪と同じように、法治国家の沽券にかかわります。

したがって、基本的には60点を取れば合格なのです。

 

さらに、固定資産税は全ての問題の合計が100点なのではなく、理論が50点、計算が50点という配分がされており、このうち、計算の最終値については100人いたら100人が納得する「答え」があります。

 

また、他の税法は消費税法を除きわからないのですが、固定資産税については最終値を時間内に求めることは十分に可能です。

 

さて、これらの断片的な事実を俯瞰すると、以下の点数配分がされているのではないかと考えられます。

 

①計算の最終値:40点又は0点

②計算のその他:10点以下の各点

③理論のうち正しい論点を出しているか:5点以下の各点

④理論のうち答案の見やすさ:35点又は15点以下の各点

 

「はぁ~~!?」と思うかもしれませんが、それぞれ解説します。

 

①計算の最終値:40点又は0点

ご存知の通り、固定資産税は役人が計算するものであり、納税者は「答え」が送られてくる税目です(異議申立などを行う場合は別にして)。自分で税額を出す国税などについては、100人税理士がいたら100通り・・・は大げさとしても少なくとも20通りくらいは回答があると思いますが、固定資産税については1億人いたら1億人が同じ答えを出さなければならず、これができないようであれば税理士になる資格はありません。

よって、計算の最終値が1つでも合っていなければ不合格です。

 

②計算のその他:10点以下の各点

一方で、固定資産税の計算は切り捨ての概念があるため、実は1円単位で最終値を出す必要はありません。最終値を出す過程で多少O社やT社の解答から離れていても、合否には響かないと思います。・・・・・・が、いわゆる計算の概念が間違えていると最終値は合いません(念のため)。

 

③理論のうち正しい論点を出しているか:5点以下の各点

理論については、いわゆる「べた書き」1問、複合(もしくは作文)1問というのが既定路線かと思います。また、「べた書き」についても理論集だけではなく、O社とT社の直前期教材などではアディショナルな論点もあるため、それらを網羅する必要があります。

網羅がもれているとすれば、合格は危ういです。

 

④理論のうち答案のみやすさ:35点又は15点以下の各点

以上より、①及び③が合っていれば45点です。

②は何かしらミスが出る(というか、正しい答えは試験委員のみが知る)ので、期待値として7点くらい稼げるとして、合計52点。

残り8点については、理論の解答の「見やすさ」で決まるのではないかと思います。

結局答えのネタはO社とT社の教材の中にしかないわけですから、それらをまとめ、自信をもって書けているかが見られます。さらに言えば、理論を網羅的に覚えていれば、そうでない人と比べて回答に着手する時間が早くなりますので、回答量と記述スピードが同じだとすれば、必然的に丁寧で見やすい答案が作成されるはずです。

 

まとめると、

①については40点を取らなければ不合格

②については満点の可能性は低く、7点程度

③については満点をとることは可能であり、最悪ミスをして4点

④については満点は無理であり、実質的な得点可能点は15点で、このうち9点取れば合格

といった点数体系ではないかと考えております。

 

もちろん上記は私の推察ですが、言いたいこととしては

1) 「満点」を目指す必要はなく、「ツボ」を抑えに行けば合格できる試験であること

2) 計算は最終値を合わせる必要があること

3) 最後は理論が勝負であるということ

ということです。

 

合格した身として、私は自分の答案が満点だったとはとても思えないものでした。

もちろん計算の最終値はあっていましたが、勉強の過程では多くのミスをし、自分なりのチェックポイントを(頭の中で)作り、訓練としてミスを抑制しました。

仮に緻密な性格ではないことで悩んでいる方がいたとしても、固定資産税の試験程度ならば訓練でどうにかなります。

 

長くなりましたので、続きは次回といたします。