30年以上前に発表されたもの。
1997年に「女たちの聖戦(ジハード)」で直木賞を受賞された櫛田節子さんの作品。
「ニッポニアニッポン」という学名を持つ
「トキ」を題材にしたホラー小説。
と、書いてあったのだけど、正直
「トキ、でホラー?????」
という感じで半信半疑で手に取った。(失礼💧)
謎の死を遂げた女性画家の作品、「朱鷺飛来図」
この謎を解くためにイラストレーターと訳ありバイオレンス作家の2人が行動を共にする。
朱鷺(トキ)といえば、一時期日本では野生絶滅状態で、保護されようやく個体数も増えてきたという、どちらかといえば「守られる側」の生き物。
それが、小説の中では全く逆の状況になり、主人公達に襲いかかる。
でも、よく考えれば、身を守る術を持たない人間は野生動物にとれば「食料」でしかないのかも。
集団で本気になられれば、犬や猫、カラスなどにも抵抗することは難しい。
カラスより体も大きく、嘴も鋭く長いトキ達に取り囲まれてしまったら…
ヒッチコックの「鳥」を思い出す。
あの2人はその後、生き延びることはできたのだろうか。