アルジャーノンとはネズミの名前。

このネズミと32歳のチャーリーとの物語。

チャーリーは心優しい知的障害者。

仕事や勉強に励み、穏やかに日々を過ごしていた。

あの日までは。

正気を失った状態で命尽きたアルジャーノン。

哀れなネズミと同じ運命を辿ることを悟ったチャーリーの苦悩たるや。

「そんな手術をせずに、そっとしておいてあげたら良かったのに。」

「いや、わからなくなるのなら、一瞬でも経験できて良かったのでは?」

「表現が難しいだけで、傷ついたり、恐れの感情は残っているのかも。」

どの答えが、彼にとって一番だったのか。

原稿を持ち込んだ際、出版社から、ハッピーエンドにするよう促されたこともあるという問題作。

残酷すぎる結末

高校生の頃、読み終わった後、母にも薦めた。

数日後

「読んだ?」

「泣いた」

「私も」

と会話したことを今でも覚えている。