「10数年前に起こった、新興宗教施設での集団殺人事件。」


「実行犯は5人の子供たちだった。」


という衝撃的なあらすじに惹かれるように手に取った一冊。


当時未成年(12歳)だった子供達は、「生存者」と呼ばれ罪に問われることもなく社会に復帰。


だけど、そこはネット社会、次々と素性や居場所が特定される。


引っ越しても、転職しても、「生存者」であることが明るみになり、住む場所や職場から追い払われてしまう。


「生存者」を嫌悪する周りの態度に腹をたてながら読むも、実際に自分がその立場に立てば、同じように目の前から排除しようとするだろうな、と想像してしまう。


幼い頃から殺人者としての訓練を受け、育てられた子供達


「先生」石黒自身の過去の忌まわしい記憶


「生存者」を狙う刺客


隠れ家に不意に現れた謎の少女


次から次へと、ストーリーが展開していき飽きさせない。


ラスト、集団殺人事件の動機も明らかになるが、それに納得できるかどうかは読者次第。といったところか。


その後、幸せに暮らしているのならばいいのだけど…


少し、重たい気持ちになった。