す東京が舞台の、ゾクリとするホラー短編集。


土地勘がある人や、東京在住の人ならもっと身近な感じでイメージも湧き、楽しめるのだろうなと思った。


実際に訪れたことのあるのは、この本の中では「お台場」くらい。澄んだ空、綺麗な海、の明るいキラキラしたイメージしか残っていない。


今でこそ、東京は戦後の急速な発展により、世界的な大都市となっている。


数多くの人々が生活してきたからには、忌まわしい事件や悲惨な事故なども数えきれないほどあるだろう。


5編の中にはフィクションの話もあれば、実際に起こった事件を元にした話も。


中でも強烈な印象を残したのは「渋谷」のお話。


絶望、そして無限に続く地獄の始まり?のようなエンディング。


そういえば「骨灰」でも描かれていたのだけれど、東京は、大空襲や、関東大震災などで、大勢の方が犠牲になったという土地柄、それらの人々の「思い」がかなり濃厚に残っているとか。


今の繁栄は、その方々の上にあるのだと。


知られざる東京の歴史。


主人公と行動を共にする、物知りの「先輩」


わりと早い段階で気づいてしまった。

毎回途中でいなくなるので。


ラストは少し、謎が残る感じ。

「先輩」があんなことになった理由が知りたい、と後をひく終わり方。


続編でその謎は…解けるのか?