東大法学部卒、元弁護士。という異色の経歴を持つ著者、深木章子さん。初めての作家さん。


文庫本の表紙は「そして誰もいなくなった」や「十角館の殺人」をイメージしたみたいな感じ。


だけど中身は全く違い、昭和から平成にかけての40年以上にもわたる想いと恨みのお話。


途中の書簡交換部分は、独自の推理、変わらぬ恋心、相手への嫉妬など、言いようによればほのぼのした感じがしないでもなかった。


だけど終盤にいきなりの暗転。


どうして?と思う間もなく、更なる暗転。


何十年経ったとしても、人の心は変われるようで変えられないのかな、と思った一冊。