前回の続きのような内容です。
公立高校(公立中学)に通っていて、
将来、医学部(医学科)に進学したい、
と思っている生徒(保護者)向けの内容です。
3回に分けて書きます。
一部の人には常識なのですが、
医学部に入るには
中学受験して私立中に進学した方が有利です。
以下、簡単なデータで説明します。
埼玉県立高校と私立中高一貫校の
医学部(医学科)合格数を比べてみました。
生徒の資質が同じくらいの学校を比べています。
以下、
医学部(医学科)の合格数の比較です。
( 防衛医大は除いています )
いずれも2023年春(各校のHPから)。
まずは国公立大医学部。
【共学】
国公立大医学部
大宮高校(11名/323名中)
栄東中学高校(21名/498名中)
【女子校】
国公立大医学部
浦和第一女子高校(6名/360名中)
豊島岡女子中学高校(25名/339名中)
【男子校】
国公立大医学部
浦和高校(16名/351名中)
海城中学高校(52名/312名中)
中高一貫校の方が、かなり多いです。
医学部受験に有利なのです。
次に
私立大医学部で比べてみます。
共学
私立大医学部
大宮高校(7名/323名中)
栄東中学高校(52名/498名中)
女子校
私立大医学部
浦和第一女子高校(10名/360名中)
豊島岡女子中学高校(111名/339名中)
男子校
私立大医学部
浦和高校(23名/351名中)
海城中学高校(92名/312名中)
私立大医学部で比べると、
合格数が圧倒的に違います。
私立中高一貫校は、
医学部志望の生徒が圧倒的に多い。
比較した高校の生徒の資質は、
全体としては同じくらいだと思います。
栄東は中学入試の生徒が優秀で、
東大医学部コースは、
大宮高校理数科と同じくらいのレベル。
それでは
医学部進学に関して、
どうしてこんなに差があるのか。
(1)
理由のひとつとして、
医学部に入れたい/入りたい人の多くは、
中学受験をして私立中に進学するから。
親が医師だと、
子供も医師を目指すことが多い。
そして中学受験をします。
栄東や豊島岡女子、海城には、
医学部志望の生徒が集まるのです。
(2)
理由の2つ目として。
私立中高一貫校では、
中3から高校数学を勉強します。
( 学校によっては中2から )
4年間(5年間)、
高校数学を勉強するのです。
理科や社会、古典文法なども、
中学校の段階から、
大学入試を意識した授業内容です。
それに比べると、
公立中学から公立高校に進む生徒は、
高校受験で"勉強が停滞”します(特に数学)。
また、
公立中学や公立高校は、
運動部が盛んで、勉強時間が確保しづらい。
難関の私立中高一貫校だと
運動部でも週3回ぐらいとか、
レクレーションレベルだったりします。
開成高校・野球部の練習は
週1回らしいです。
(『弱くても勝てます』新潮社、p11より )
そして私立中高一貫校は
高校2年生の秋から冬で、
運動部は引退になる学校が多い。
そういう、
いろんな要素が重なって、
私立中高一貫校は大学受験で強く、
医学部入試に強いのです。
それでは、
医学部に進学したい公立高校生は
どうすればいいのでしょう。
それは次回に。
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