①とにかく歩けば力はつく

9割間違え、1割正解というとこですかね。今国が1日1万歩歩きなさいと言っていますが、これもある程度の根拠があって言っています。


筋肉には厳密に言えば違うのですが、ここでは簡単に筋肉Aと筋肉Bの二つの筋があるとします。専門用語で言うと筋肉Aは遅筋、Bは速筋とします。


歩く時に使う筋肉は主に筋肉Aであり、Bの筋肉はかなり使わないとあまり運動に参加してくれません。


ちなみに筋肉Aは疲れにくい筋肉で、長時間の運動でだらだら働いているのですが、瞬発力はないために急な動きにはなかなか働いてくれません。



そして筋肉Bは、瞬発的な力を必要とする時には働いてくれるのですが、長時間の運動や歩く時などには休んでいてあまり働いてくれません。


スポーツ選手に例えたらわかりやすいですが、長距離のスタミナを必要とするマラソン選手は筋肉Aが発達し、瞬発力が必要な短距離選手は筋肉Bが発達しています。


日常生活においては、A君をいっぱい使って疲れてくると、そろそろ助けてやるかと言う程度にBの筋肉が参加してくれます。



それ位筋肉Bはなかなか運動に参加してくれず、厄介な事に高齢者で真っ先に弱くなる筋肉がBなんですよね。



高齢者の人ってほとんどの人がゆっくりな動きになりますよね?あれは真っ先に筋肉Bが衰えてしまうため、瞬発的な力が出せないんです。



そのため、何をするにしてもゆっくりしかできなくなります。



そして残念な事に今の医療、介護、予防の現場でもまだ行われているのが筋肉Aを鍛える方法が用いられています。



ゆっくりしか動けないのにゆっくり働く筋肉を未だに鍛えようとしてます。



なぜかと言うと、昔は運動さえすればなんとかなると言われていたからです。そしてこの業界でもまだまだ昔の常識を信じ込み、運動さえすれば力がつくと思っている人が多く、それが一般的に行われているからです。



学校の教科書にそう記載されているから仕方ないのかもしれません。何年たっても教科書をベースにした指導になってしまうのです。



ちゃんとした方法でトレーニングをすれば、筋肉Bを鍛える事はある程度可能ですし、優先的に考えるべきことであります。



働き盛りの人であれば1万歩程度歩けば速筋も最終的には使われると思いますが、高齢者が家の中や庭を少し歩く程度では必要な筋肉を鍛えるのは現実的には厳しいと思います。



栄養をしっかりとらないと運動してもなかなか効果もでにくいですしね。ただ、心肺機能を考えると動いた方がいいことも多いです。




そのため



とりあえず歩いて下さい、とりあえず動いて下さい程度の事、適当な負荷、適当な回数の運動、トレーニングマシンの使用では多分効果はかなり少ないです。見ている方は動いてくれてるという変な安心感はでるかもしれないですが。



全員に当てはまる訳ではないですが、元気な高齢者、転倒しにくい人ってきびきび動いてる人が多くないですか?



歩くのが遅い人は短命



だなんてたまにテレビでも言われています。それが何を意味するのか、最近の医療番組も面白いですよ。