科学者たちは、人工知能を使って人体のいわゆるダークゲノムを照らし出し、癌の検出、モニタリング、治療に対する強力な新しいアプローチを開発した。

 

米国のジョンズ・ホプキンス大学の研究者らは、これまでほとんど研究されていなかった遺伝子コード配列の繰り返し(「ジャンクDNA」または暗黒物質として知られている)が、腫瘍とどのように関連しているかを明らかにした。

 

研究者たちは、遺伝暗号の「ダークマター(暗黒物質)」を探索した。研究者たちは、腫瘍に含まれるジャンクDNAや、がん化した腫瘍から排出され血流に浮遊するジャンクDNAを分析するために、機械学習技術を使用した。

 

科学者たちは、ヒトゲノムのほぼ半分を構成する1,200種類以上の反復DNAエレメントを調べた。これらのジャンクDNAの多くは、腫瘍形成の過程で変化したものである。

 

がん形成に関連する736の遺伝子を解析したところ、ほぼ3分の2の遺伝子に平均して15倍以上の反復DNA配列が含まれていた。Velculescu氏によれば、この発見は、これらの遺伝子が悪性のマーカーである可能性を示唆しているとのことである。

 

Cancer Research UKはこの研究結果を歓迎した。「まだ初期段階ですが、この研究は、血液サンプルから採取された細胞の腫瘍特異的変化を検出することで、いくつかの癌を早期に診断できる可能性を示しています」と、同団体の研究情報マネージャーであるハティー・ブルックス氏は語った。