最も悲しいのが、「日本は環境後進国なんですよね?」と聞かれること。
何が足りないかを明らかにするには、今までできていることをちゃんと評価することも大事。
「日本は再エネ導入で出遅れた」とよく言われる。
しかし、日本は再エネ全体の導入量(設備の量)でいえば世界第六位、太陽光発電に限って言えば、中国・アメリアに次いで三位。
「再エネで出遅れた」は根拠なき批判か?
そうとも言い切れない。
日本は電力需要が大きいので、1年間の電力需要(kWh)に占める再エネ比率で言うと、確かに欧州の一部の国などと比較すると見劣りする。
ただ、多様な評価軸がある訳であるし、1億2000万の人口を抱える上、産業構造が製造業主体を維持している我が国では、こうした構造になるのは、仕方がないとも言える。
残念ながら日本ではそうした報道は殆どない。
COPに関する報道では毎年、「化石賞」を日本が受賞したと必ず報じられる。
事実ではある。
どのような団体がどのような理由で日本を批判したのか、その批判は妥当なのかについて検証が必要ではないか?
化石賞は、会場の片隅で環境団体の若者が、二週間の会期中毎日イベント的にやっているもの。
選定の基準も定かでなく、理屈として首を傾げることも多い。
そもそも気候変動は先進国のせい、という立て付けの世界観なので、米豪加日あたりが持ち回りでもらうもの(環境NGOの多くは欧州勢が強い)。
再エネの導入拡大も重要であるが、再エネだけでは社会をカーボンニュートラルにすることは極めて難しい。
特に、アジアでは電力需要の伸びが旺盛である一方、モンスーン気候でそれほど再エネポテンシャルに恵まれてはいない。