本日より雨月物語の企画授業が始まった。雨月物語は、大映の映画で出会い、この世のものとは思えぬ幽玄を味わったところから、10年来、研究したいと願っていたが、いよいよ機会を得た、といえる。本日は、上田秋成の半生と、雨月物語の序文を読み解きながら、秋成の人となりを学習した。作品を読み解く上で、作者を知ることは大変大切なことだが、序文では、羅貫中と紫式部の末路を当然といいながら、2人の作風については褒めて、自分のことは下げて語っているところは、なかなか抜け目のない人間に見える。それだけに人生の中では苦労の連続であっただろうが、秋成の生の人となりもいつか掘り下げたいところではある。

作品は、道成寺の安珍・清姫伝説とも関わりの深い「蛇性の淫」である。本文の読解もさることながら、翻案元の作品との比較、登場人物の性格分析もしながら、舞台作品を作ることを視野に入れつつ、授業準備したい。