昨日、東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートに行って来ました。ワーグナー「ローエングリン第3幕への前奏曲」、プッチーニ「トゥ-ランドット-誰も寝てはならぬ」ではじまり、何曲かはさんだ後、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番第一楽章」、J・シュトラウスⅡのポルカ(チェコの民俗舞曲で速い3拍子のリズム)2曲、締めはストラビィンスキーの「火の鳥」となんともぜいたくな内容。個人的には、ロシアの作曲家、ラフマニノフとストラヴィンスキーを楽しみにしていったのですが、「ピアノ協奏曲第2番第一楽章」はピアノの音が、肝心なところで、よく聴き取れなかったのが残念でした。ピアノ協奏曲を生で聞くのは初めてなのですが、オーケストラの音量とのバランスが難しそうだなと思いました。もしかしたら2階席だったからかもしれませんが。「火の鳥」は哲学的です。曲を聞くというより、曲の世界に入り込んで、あれこれ考えこんじゃう曲です。よって、どんな曲だったか、あまり覚えていない・・・。ワーグナーとJ・シュトラウスⅡは、合わないようです。主題は震えが来るほど、素晴らしいんですけど。曲と曲の間に、指揮者の金聖響さんのお話をうかがうことが出来ました。それにしても、凄い名前です!あたかも音楽をすることを宿命づけられているかのような・・・。大体、次のような内容だったと思います。「基本的に、指揮者は作曲家の書いた楽譜を再現することが使命で、主観は表現の中に含めない。また、お客さんに快い音を聞いていただくために、音の響きやテンポを、状況に応じて調整していく。」この話を聞いたとき、ああ、翻訳の心がけに近いなと思いました。「お客さんにあわせて」というのは、本当に難しい。実務翻訳の場合、クライアントと話を詰めながら進められるから、まだ、ましな気がしますけど、文芸翻訳や舞台芸術は、お客さんが複数ですから難しい。しかも、舞台芸術はその場一回限りですから、さらにシビア。「だから、面白い」っていうプロの方沢山いらっしゃると思いますが。今回、音を聞いていて、どの楽器がその音を出しているのか(だいたい)わかるようになってきたので、今後は、楽器の特徴とか、交響曲の形式とか、専門的なことを調べてから、コンサートに行きたいと思っています。