このブログを書くときに、
どんな作業をどんな順番でやっているか、
そのときの頭の中がどうなっているかを、
こないだ雑記を書いたときの過程をもとに言語化してみた。
いわばこのブログの作り方を方法論としてまとめようかなと。

他の人がどうやって文章を書いているかなんて、
言わないし知らないし想像もできないし、
こんな手の内を明かすようなことなんて、
裸を見られるより恥ずかしいって人もいると思う。

書かない人からすればなんてことのない文章だと思うし、
「何かをアウトプットしないと生きている実感がわかない人種」
ってだけなので、別にすごいとかえらいとかない。
「排泄しないとあかんものがきっと多い」だけの話。
そもそもこのブログなんて、

公開できる程度に内容を整えた憂さ晴らしでしかないから、
愚痴を言ってるのと得てるものは同じ。

---(引用ここから)---
「何かアウトプットをしていないと、生きている気がしない人種」というのは確実におり、そういう人はそれが自分の業やカルマであると自覚し、逆らわずにアウトプットを続けたほうが不幸にならない、ととみに感じております😇
表現は排泄だが、排泄しないとあかんものがきっと多いのだと思う。
最初はアウトプット=排泄物がただのクソでしかなくて絶望するのだが、クソも生み出し続けるとだんだんマシなクソ、割と見れるクソ、称賛されるクソへと進化していくので、
やはり愚直に排泄を続けるしかないのだと思われる……

from 市原えつこ / Etsuko Ichihara (@etsuko_ichihara) その1 その2
---(引用ここまで)---
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<登場人物>

・自意識ちゃん
感情純度100%で言葉にならない感覚しか持っていない。
それ自体には意味付けはなく、ただそこにあるだけ。
制御しようもなく出てくる。温泉みたいなもん。

社会化される前の素の自分、
根っことか底にいる自分、
自分の中にいる無邪気な子供の部分。

フロイトでいうとこのイド(エス)。
これを書くために調べ直したけど、イドそのもの。

岡村ちゃん(岡村靖幸)は、
「僕は自分という動物を飼ってると思ってる」
って言ってたけど、飼われる側の自分。


・インタビュアーちゃん
自意識ちゃんの一番の理解者。良き保護者。
言葉にならない感覚に言葉を与える存在。
言葉を与えると自ずと意味も付いてくるので、
善悪とかネガポジとかもここでくっついてくる。


・通訳ちゃん
理性の部分。色々考えて判断する。
自意識ちゃんの言いたいことを形にする役割。
全体を俯瞰して調整したり、取捨選択したりする。

社会化されている表の顔の自分。
自分の中にいる冷静な大人の部分。

フロイトでいうとこの自我(エゴ)

岡村ちゃん(岡村靖幸)は、
「僕は自分という動物を飼ってると思ってる」
って言ってたけど、飼ってる側の自分。

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①メモを作る

ブレスト的にアイデアを書き散らしていく段階。
ひとりで自分と(感覚で)対話している時間。
脳内に浮かぶものをひたすら文字に吹き込んでいる。

自意識ちゃんが好き勝手に散らかしながら遊ぶので、
インタビュアーちゃんが相手になってる感じ。

自意識ちゃんは、
一番の理解者であるインタビュアーちゃんが大好きで、
インタビュアーちゃんのレスポンスがツボを抑えてるから、
わかるーってキャッキャキャッキャ盛り上がる感じ。
ふたりでまとまりのない会話を楽しんでる感じ。
インタビュアーちゃんにとっての自意識ちゃんは、
感情とか情緒とかのレベルが結びついているので、
役割が少し違うだけの双子みたいなもんだったりする。

自意識ちゃん6割、インタビュアーちゃんが3割、
通訳ちゃんが1割ぐらい入るかな。

文字にしてみたはいいものの、
言葉にならない感覚にムリヤリ言葉を与えた状態であり、
他人どころかあとで読み返した自分にすらわからないことがある。

だいたい深夜のtwitterに書かれている。
ひとりごとを世界中に公開している、
まったくもって迷惑なうるさい人である。

意図的にスイッチを入れるのは少し苦労するし、
結構、時間がかかることが多いけど、
一度入っちゃえば止まらないし、負荷は少ない。


②メモを肉付けする

書き散らかしたアイデアを深掘りしていって、
読み返したときにわかるレベルに説明書きをする段階。
ひとりで自分と(理性的に)対話している時間。

インタビュアーちゃんに仲介してもらいながら、
通訳ちゃんが自意識ちゃんに問診する感じ。

自意識ちゃんがメモの説明をしながら、
通訳ちゃんがこゆことなんだねーって細部を理解していく。
インタビュアーちゃんの①が上手になったので、
大半は自意識ちゃんだけで説明できるんだけど、
自意識ちゃんが困るとインタビュアーちゃんが登場して、
通訳ちゃんも参加して追加の①をやるような感じ。

自意識ちゃん6割、通訳ちゃんが3割、
インタビュアーちゃんが1割な感じ。

文章内の単語や文章間のつながりを補足したり、
こそあど言葉を固有名詞にしたり、
曖昧だった部分をちゃんと確認したり、
パーツとして使えるようにする感じ。
これをこまめにやっておくと、
下ごしらえした食材が用意されている感じで、
このあとがスムーズに進む。
逆にメモ書きのまま放置しちゃうと感覚が変質しちゃう。

ちなみに下書きとして別の場所に書いてある。
見せてもいいけど、雑味が多いだけで大きな違いはない。


メモ書きがスムーズに理解できればいいんだけど、
そうじゃないと結構、しんどい。1つ目の壁って感じ。
生みの苦しみと言っていいんだと思う。


③構成を起こす

肉付けされた各パーツを眺めて、
文章全体のストーリーや構成を決める段階。
「結局何が言いたいのか」を考える時間。

自意識ちゃんの言いたいことを理解するために、

通訳ちゃんがうんうん唸りながら考える感じ。

通訳ちゃんが細部まで理解した情報をもとに、
抽象化することや全体像を掴むことを通して、
そもそも自意識ちゃんは何を言いたかったんだろう。

みたいなのを整理していく。
時間が経つとおぼろげに見えることも多い。
最終的に自意識ちゃんと答え合わせする感じ。

通訳ちゃんが7割、自意識ちゃん2割、
インタビュアーちゃんが1割な感じ。

要素を並べて分類して整理して、
重み付けして、取捨選択して、
並び替えて、つなぎを補足して、って過程を通して、
話の方向性を整理したり、
底にある本音を見つけたりする。

こんな感じで説明はできるけど、
再現性がまったくないと思ってるから、
見せても他人には理解できないと思う。

きれいな流れがスムーズに見つかればいいんだけど、
そうじゃないとかなりしんどい。2つ目の壁って感じ。
だいたい難産。生みの苦しみとしか言いようがない。
ただ、ここが峠なので越えればあとはそんな苦労しない。



④成形

パーツがまだ継ぎ接ぎ状態なので、
文章全体が流れるように芯を通す段階。
「言いたいこと」を具現化する時間。

通訳ちゃんが起こした構成をもとに、
インタビュアーちゃんが改めて言葉にしてる感じ。

自意識ちゃんの気分屋さんにつられて、
インタビュアーちゃんも少しブレるので、
改めて通しで言葉にして一貫性を持たせる。
自意識ちゃんにもたまに聞いたり、
通訳ちゃんのツッコミを受けたりして、
大まかで粗削りな形を作る感じ。

インタビュアーちゃんが6割、
自意識ちゃん2割、通訳ちゃんが2割な感じ。

元の文章を脳内読み上げしながら、
表現や使う単語がブレていたり、
この流れならこの言葉だねみたいなのを、
全体のコンセプトに基づいて、
一貫性を持たせて言葉を選ぶ作業。
漢字をひらくか閉じるかのバランスとか、
漢語と和語を揃えたりとかもしている。
あと、構成がまだ仮置きな部分もあるので、
必要に応じて話の流れに合わないものを落としたり、
逆に、もう一度断片を拾い直したりして、
段落単位で内容の足し引きをしてたりもする。

ここはライブで見せるのがいいかも。
左側に元の文章、右側に成形した文章ってやって、
どゆ単語を使うのか見てもらうというか。

もう山場を越えているので、
ある程度、流れ作業的にやることができる。
思考回路を止めて手を動かすだけというか。


⑤仕上げ

ひと通り書き上げた文章を推敲して、
最終的な完成形に持っていく段階。
「神は細部に宿る」ための時間。

通訳ちゃんが主導権を握りながら、
総動員で完成まで持っていく感じ。

今度は通訳ちゃんがメインになって、
自意識ちゃんとインタビュアーちゃんにも聞きながら、
違和感がなくなるまで繰り返し推敲して、
大まかな形から細部まで作り込む感じ。

通訳ちゃんが6割、自意識ちゃん3割、
インタビュアーちゃんが1割な感じ。

言い回しの調整や内容の足し引きはもちろん、
ボールドとか文字の大きさとか、
プレーンテキストにhtmlタグをつけるのもこの段階。
磨き上げて最終的な完成形に持っていく。

ちなみに、ここの段階は見せてもいいけど、
そんな小さなこだわりどうでもいいって言われるのがオチ。

結局、自分の中の納得感がすべてで、
それは時間と回数に比例するんだよね。
ほんとはそれをサボっちゃいけないのに、
最低限しか手をかけられなかった時期もある。

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内向的な人間だという自覚があるんだけど、
こゆところなんだろうなと思う。
外向的な人間って自意識ちゃんが弱いんだろうなと思う。

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感覚の源泉と、それを言語化するのは別だと思っている。
それが自意識ちゃんとインタビュアーちゃんの違いというか。

そういえば、
①のメモを作ってるときの「良いこと思いついた」が実はピークだよね。

残りはもはや消化試合というか。


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そもそも湧いてこない生みの苦しみと、
しっくり来ない生みの苦しみがあると思ってるけど、
後者って伝わるのだろうか。
そういえば、サカナクション山口一郎の、

フォントを変えたら歌詞が完成したって話を覚えているんだけど、

たぶん、似たようなことなんだと思う。

ちなみに、
アマチュアなので湧いてこないときはやらないだけ。
プロとの違いってこゆことだと思ってる。

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だいたい③の構成が難産になることが多いんだけど、
②の肉付けもたまに苦しいことがある。

文章を書くことのキモは③の構成だと思ってて、
こうして構成を考える文章もたまには書かないとなと思ってる。

---(引用ここから)---
会社の天才が前に「Twitterに投稿すると何かを作った気になれるけど、それは良くない」的なことを言っていて「きちんとした形に昇華することもできるのに手近に投稿することで見せかけの達成感を得ていてはいけない」という教えだと理解して、最近はそのことに確かな危機感がある

from さえりぐ (@saeligood)
---(引用ここまで)---
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「0から1を生み出す」って言い方があるけど、
0.1までは勝手に湧いてくるんだよね。
だから、「0から1を生み出す」ことって、
湧き出てきた0.1を言葉にして留めることと、

その0.1をちゃんと1にする作業のことを指していて、
それを面倒くさがらずにやるかなんだと思う。

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イラストとか音楽とか、
他の分野の創作をする人に通じるものはあるのだろうか。

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BGMは 橙々 の 愚痴 / ひかりのうた (Sg)

ひかりのうたでギターが2本鳴ってるのは気のせいかな。