2万字書くためにざーっとプロット作ったんだけど、
これをちゃんと書いてもこのブログと変わらないな。

と思ったので、このテーマを広げて書くのはやめた。

ただ、最近になって考えてたことだし、
断片的にちょこちょこ書いてたので、
少しブラッシュアップしてまとめ直して、
プロットレベルだけど、ここに残しておこうと思う。

ほんとはちゃんと書ければいいなって思うんだけど、
たぶんそこまで手間暇かけられないような気がする。

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結局は(自然)科学者と人文社会学者の溝の話だし、

論理構造がガバガバな部分もあるし、
心理学の話と科学の話がごちゃ混ぜだし、
何番煎じの議論をしてんだってツッコミは野暮です。
考えが深まる視点はぜひ教えてください。

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<立場>
・通信課程の社会人学生(心理学系の学部生)
・元々理系大学に在籍してた(中退)
・先行研究はちゃんと調べてない

↓↓↓

心理学は科学たり得るのか
-二元論からの脱却に向けた一考-

1. 起点<個人的な背景>
 ・もともと理系、でも心理学も好きだった
 ・大学受験で心理学部も受けた(落ちた)
 ・入った大学は単位が取れなくて中退した
 ・その頃、心理学に救われた
 ・ただ、自然科学と比べて理論の強度が弱いし
   自分の主張に沿う取捨選択をしてると思ってた
 ・大学に入り直して心理学の論文を読んだけど
   論文だって結構ツッコミどころあると思った
    あってないような査読の話


2. 研究の背景
 2.1. 心理学が成立するまでの流れ
  ・もともとは哲学から派生した研究領域
 2.2. 心理学が科学を目指した時代背景と成り行き
  ・認知心理学と情報処理理論、生態学的妥当性
     戸田の「心理学の将来」 ◆1
 2.3. 「科学的」とはなにか
  ・単純な二元論で決められるものではない(戸田山)
  ・いくつかの論点を引っ張って何かしら定義づける
    道具としての論理学や統計学
     統計検定の問題、あくまで傾向でしかない
  ・因果関係の錯誤、正しい手続き
     Car allergic to vanilla ice cream ※1
     変な論理展開がエンタメのWEB記事
 2.4. 再現性の危機について
  ・追試に失敗した心理学の実験が多くある ※2
     ただ、「効果があるかはっきりしない」ぐらいが妥当で、
     再現性が確認されている実験ももちろんある

3. 問題設定
 ・心理学以外の様々な学問を含めて検討することで
   相対的に見て心理学がどのような位置にいるか
 ・科学的であることの意義や価値について

4. 論点
 4.1. 心理学以外の学問について
  4.1.1. 哲学社会学語学(人文社会科学系)
   ・代表例として、定量性もなく客観性の低い事例
   ・スピノザに科学が追いついた話 ※3
  4.1.2. 医学経営学経済学(人間を数式で扱うもの)
   ・ヤクルト1000の被験者 ※4
   ・胡散臭い健康食品と学会発表の闇
  4.1.3. 数学物理学化学(自然科学系)
   ・力学などの(古典)物理学の数式化や予測性の有用さ
   ・一方でカオス理論のように予測性が低い分野もある ◆2
   ・数学にだって宇宙際タイヒミュラー理論のように議論がある
 4.2 心理学において
  4.2.1. 臨床心理学
   ・個別性が重要であり数式化理論化に興味が薄い ※5
  4.2.2. アドラー心理学
   ・概要と理論(あまり知られていないので)
   ・問題点(論理的体系的だが定量性や反証可能性がない) ※6
  4.2.3. 認知心理学
   ・実例(ニューロンの発火やPETを論拠にした一義性の高い理論)
   ・問題点(生態学的妥当性)
 4.3 学問とされないもの
  4.3.1. 占いやスピリチュアルについて
   ・心理学との境界線は曖昧な部分がある
     心理学に見えて「科学的ではない」とされるもの(MBTIなど)
     動物占いは科学であるという主張

5. 考察
 5.1. 科学か科学じゃないか
  ・「科学」といってもその内実は様々であり、
    統一的な定義はなく、最終的には主観に拠るため、

    科学か疑似科学かの線引きは曖昧な部分が残る ◆3
  ・定量化することで「科学度」を評価できないか
     定義した要素を下位尺度にしてスコア化する
  ・科学的な姿勢を重視していてもスコアが低くなるものに
    「準科学」といったラベル付けをすることはどうか ◆4
 5.2. 科学的であること
  ・科学であること価値の有無
     科学的か否か、価値があるか否かの四事象 ◆5
     科学的かどうかと価値の有無は無関係 ◆6
  ・科学的であることを不当に利用する人達
     科学的であることで価値を高く見せようとする人達 ◆7

6. まとめと展望
 ・もともとの「心理学は科学か」という命題を超えて
   科学全体にまで大風呂敷を広げる形になった ◆8
 ・できるだけ小さい部分から科学度の評価を検討したい
 

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※1
バニラ味のアイスクリームを買ったときのみ
車のエンジンがかからなくなるという苦情に対して、
エンジニアが実際にこの事象が起こることを確認した。
その状況に関する様々なデータを取ってみたところ、
バニラのときのみ購入までの時間が短かく、
それが原因であることが判明した。
車のエンジンがかからないのは
バニラのアイスではなく時間が短かったことが原因だった。

バニラのアイスを買ったときだけ車のエンジンがかからなくなる不思議な現象、その原因は?


同様に、関連性が摩訶不思議に見える事象も
丁寧に見ていくと因果関係を紐解くことができる例。

中国人のAさんがお茶を淹れると会社のネットが繋がらなくなる
ジャネット・ジャクソンのヒット曲を再生すると古いHDDがクラッシュする脆弱性

 


※2
例えば、表情フィードバック仮説(ペンをくわえると笑顔に近くなって評価が高くなる)や

スタンフォード監獄実験(与えられた役割に沿った振る舞いをするようになる)について

疑義があることを伝えている。

心理学・行動経済学等の著名な研究論文が次々に追試失敗【心理学】

 


※3
「〇〇をしよう」と意志を持つ前にすでに脳からの司令は出ていて、
意識はそれを追認するだけであるというスピノザの理論に対して、
脳科学がニューロンの発火からそれを実証した例。
二村ヒトシと國分功一郎の対談の中で出てきたと記憶しているけど、

何かしらの曲解をしているはず。ちゃんと原典を当たらねば。

 


※4
ストレスを感じている被験者として、
「進級に重要な学術試験を受験する4年次の健常な医学部生の男女」を設定している。
ユーモアがありながら説得力もあると感じた。

ヤクルト400W&Yakult1000 実演販売士が話題のヤクルト飲んでみた

 


※5
個別性に関連して、同じ状況の同じ次元(側面)としたものにおいて
複数の解釈や理論が成立することは一義性に反する(=非科学的)。

 


※6
ポパーは反証可能性がないとしてフロイトやアドラーを批判している。

【ブログ】「アドラーは科学じゃない」か?

 


◆1
戸田正直は1969年に「非常に遠い未来における心理学の役割」として、
「心理学がすべての科学のうちで最も重要なものに成長していく」としている。
これは心理学がより良い方法論を身につけていく中で、
万能感を持っていた時代背景と結び付けられるだろう。

 

来るべき認知科学の姿:戸田正直の夢から

 


◆2
カオス理論とは、初期値鋭敏性が高い系(カオス系)に関する研究で、
初期値がほんの少し違うだけでその結果が大きく異なるものを指す。
「ブラジルの蝶の羽ばたきがテキサスのトルネードを引き起こすか」
という寓意的な表現で有名なバタフライ効果も知られている。
(ちなみに天気予報が当たらないのも気象条件がカオス系だから)

決定されているのに予測できない未来 —世界観を覆した数学理論—
 

例えば、初歩の物理学の学習においては、
「空気抵抗を無視する」として単純化しているが、
複雑系を実用範囲内に近似できるのであれば、
必要以上に複雑にしなくてもいいのだろうが、
そんな簡単に事が済むなら既に解決しているだろう。

 


◆3
世間にはびこる科学かどうかの二元論の認識に対して、
実際はグラデーションで捉える必要があることを
より広く知らしめる必要があるのではないか。

因果関係の錯誤で挙げたアイスクリームの例(※1)のように、
順を追って論理を積み上げていくことで
因果関係を確かに解明するプロセスが心理学では可能だろうか。
どこかで論理展開に「概ねそうである」を使わざるをえず、
数学の方程式を解くように、※1で挙げた因果関係の例のように、

明確な納得感を持って結論にたどり着くことはできるのだろうか。
また、心理学は帰納的に理論を積み上げることしかできない。
それなのにカオス系の解を導く力はあるのだろうか。

 


◆4
科学的な姿勢を持ち合わせてもカオス理論のような
厳密な測定や理論化は難しいことを踏まえて、
心理学は「準科学」って自ら名乗った方が誠実だと思う。
もちろん、姿勢を持っていることは必要条件であって、
その結果こそ重要であることは言うまでもない。

 


◆5

四事象とその具体例
・科学的であり価値のあるもの
 →現代社会を支える各種の科学技術
・科学的でないが価値のあるもの
 →経験に基づく咄嗟の判断(棋士の直感など)
・科学的でありながら価値のないもの
 →これに当てはまるものはないと考えるが、
   「役に立たない研究」という言葉の裏には
   その主語の範囲では価値がないという意図がある
・科学的でなく、価値のないもの
 →ただの個人の思い込み、迷信など

 


◆6
科学であるための必要条件はいくつかあり、
科学的であるためにはより多くの要素を満たすことが望ましいが、
だからといって、そのことと価値の有無は無関係と感じる。
なぜなら文学や哲学にも価値があり、
科学的でないとされる心理学の分野にも価値があるから。
つまり、ある分野や実験が科学的でないとされても、
心理学全体としての価値は大きく揺るがないものである。

もっといえば非科学的とされる占いであっても
経験則から生まれて時間とともに洗練された「知」であり、
その価値を蔑ろにすることはできないはずだし、
怪奇現象やオーラのようなオカルトの類のものも、
科学的に未解明なだけである可能性も考えられる。
現時点の科学はまだ万能ではない。

 


◆7
4.1.2.で触れたが、
健康食品の価値について学会発表を根拠にする場合、
受け手はその内実を判断することは難しく、
疑わずに実際以上に価値があると受け取りやすい。
優良誤認との線引きについてここでは触れないが、
価値をできるだけ高く見せようとする意図は明らかである。
直近の例として、「空間除菌」を謳う商品が
消費者庁から措置命令を受けている。

この商品の場合は、
密閉空間での実験環境での効果を根拠に
日常生活の空間での効果を謳った点が問題である。
また、密閉空間での効果は確かめられているが、
実際の日常生活の空間での検証は行われておらず、
メリットよりデメリットが大きい可能性が指摘されている。
(そもそも二酸化塩素ガスによる消毒は推奨されていない)

大幸薬品株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

心理学ではハロー効果と呼ばれており、
こういった権威付けはあらゆるところで使用されている。

 


◆8
おそらく、心理学を科学の方向に進めるのならば
心理学の実験はカオス系であると捉えるのが落とし所ではないか。
例えば変数を多めに想定して、初期値の違いを愚直に積み上げて、

それによって理論をより確かなものに洗練させることが考えられる。

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以下はどこにはめ込むかわかんない短文のキラーフレーズ(仮)

心理学は自然科学から見て相対的に非科学的。
それはどう頑張っても覆せない。

それなのに肩を並べているような立ち振る舞いなんだよな。

心理学が科学を名乗ろうとするの、
整形美人のような不自然さを感じるんだよね。

無機物というか本能しかない動物ぐらいまでを
科学だと思っている節があるかもしれない。

再現性の検証ってファクトチェックに似たものを感じる。
言い出すのは簡単なのにその検証はとても手間がかかる。

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巨人の肩の上に立つ現代人として
ちょっとでも新規性やらがあって
人類の研究の進歩に貢献できるような
知の生産活動になればいいんだけど、
そんな簡単にはできないよね。

あと、こうやって文字に起こして、

他者から見られる前提で文章にすると、

考え方を多少なり客観的に見れるね。

今回、自分の科学観が狭隘だなと思った。

細かい表現をちゃんとするために調べるし。


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ちなみにこれで約5000字でした。
これでプロットを膨らませれば2万字とかいけるでしょ。
といっても先行研究をちゃんと調べてないから
このプロット通りに進むとも思ってないけど。

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BGMは 門脇更紗 の ファウンテンブルーに染まって (Al)

いいんだよ、これで。変にごちゃごちゃさせなくて。