ライブの代替品として
ライブの様子をそのまま映像配信するのなら、
課金するほどの価値を見いだせない。
無料だとしてもヒマなときしか見ない。
元々ライブDVDを見ない買わない人なのでね。
ついで言うと映画館でしか映画見ない人であり、

ゲーム実況見てもゲームした気分にならない人なので。

 

理由は何層にもなるんだけど、集約すれば、
現場という生(Raw)が圧倒的に豊かであるのに、
切り取られて情報が限られたものを、
しかも受け身でしか味わえないから。
その落差がどうにも埋まらないから。

なのでミュージシャンには、
音源とライブしかない今の世の中に
第三の選択肢を「発明」してほしい。

と、おおよその要約を書いてから以下に
意味不明になる可能性の高い補足をだらだらと書き連ねる。

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似たようなことはそういえば過去に書いていた。
(7年前の自分の記事を掘り返すただのセルフ恥晒し(笑))
 → なぜこんなにもライブに行くのか (後半部分)

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具体的にどんな部分に落差を感じるのか箇条書きで挙げる。
矛盾があったり進化している部分を見落としているだろうし、
根本は「老害」思考からの「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」なのも理解している。

■環境面
・アンプの生鳴りやオフマイクの生声がない
 -マイクを通さない本当の生の音が聞こえない

・自宅のスピーカーじゃライブハウスに敵わない
 -音質、音量、聞きたい音が聞こえない...etc

・録音物(マイクを通す)なら演奏自体はCD音源のが良い
 -音源と同じように演奏するならCD音源でいい

・演奏することに意味があるなら録音じゃ価値がない
 -といっても現場でもスピーカーに出すためにマイク通してるけど

・回線環境が悪くて止まるとそれだけでストレス
 -映像だけなく音声も。観客側の回線問題も含めて

・視点がカメラ割りによって決められる
 -自分が見たい部分が見れない(ギターの手元とか)

■心理面
・双方向のコミュニケーションがない
 -コールアンドレスポンスとか画面越しじゃ虚しい
 -ひとりしゃべりのMCに面白みはあるのか
 -話が通じてなくて観客同士で同じことを思ってるあの雰囲気とか

・今ひとつのめり込めない
 -「ながら見」になりがち。これはDVDで映画を見るときも同じ

・曲間の無音時間が意味のない時間になってる
 -回線都合で止まってるのか見分けがつかない

・どうなるかわからない楽しみがない
 -その場の雰囲気でやるアドリブがなくなりそう
 -結果を知ってながら見るスポーツみたい

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つまり、ライブをただ配信するだけのものではなく、
(課金するだけの)何かちがう価値がないとね。という話。

ただ、その辺はもちろん当人だって話題に挙げている。

【川谷絵音】山口一郎との音楽談義2【J-WAVE・WOW MUSIC】
フル尺→ https://www.youtube.com/watch?v=Um-Nmk80SUc
聞き所→ https://www.youtube.com/watch?v=Um-Nmk80SUc&t=477s

---(書き起こし抜粋ここから)---
(山口一郎)
オンラインで音楽を伝えるという新しいコンテンツを発明しなきゃなとは思ってる。
ライブハウスやホールを使わないでライブする、そういった新しい演出を考えることは普通にライブが出来るようになったときにも新しいコンテンツとして1個増やせるだろうなとも思うし。
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(川谷絵音)
ライブを映像として作り込むというか、プロモーションビデオに近いのかなみたいな。
(山口一郎)
作り込まれたライブ映像は70年代後半にあるから今だったらもっと面白いことが出来るなと思う。
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(山口一郎)
スタジオフェスをやろうと思っている。
例えばビル1棟の借りて、1階から10階までそれぞれ1ミュージシャンに入ってもらって、スタジオレコーディングみたいなことをライブでやってそれをオンラインで配信する。
スタジオならではのエフェクトや演出にこだわれるし。
(川谷絵音)
例えば、地下のお洒落な空間でライブやることは逆に普通のライブじゃ見れないので、そういうことをやるってことですよね。
(山口一郎)
スタジオなので音のクオリティも担保できるし、PAとレコーディングエンジニアの連携によってCDとも異なる表現になるはず。
---(書き起こし抜粋ここまで)---
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「じゃどうするか」を少し考えたので書いておく。
自分自身でもわかるぐらい粗いけど書くだけ書いておく。

◆リアルライブに近づける

この方向だとVRゴーグルにヘッドホンとかになるのかな。
視点に追従してPAN(音の左右)も振ってくれたら面白いのにね。
 → ヒトリエ 『KOTONOHA』Studio LIVE 360度ver.

◆ドキュメンタリー性を内包した演奏映像作品

ただ、これは裏側という手の内をつまびらかにすることだし、
行き過ぎると生々しくなると思うのでさじ加減が難しいのかな。
あと、人によって見たい裏側が違ったりもするし。
 → The Beatles - Don't Let Me Down  (rooftop concert)


◆演出として作り込む
例えばで思いついたのがPerfumeのSXSWの映像だけど、
これはショーだからいいけど、バンドだと過剰演出だろうな。

 → Perfume STORY (SXSW-MIX)
 

あとは、川谷絵音が↑で言っていた方向性だと
「僕らの音楽」というテレビ番組が昔ありまして。
丁寧に作られたセットで生の演奏を収録したり、
ゲストと対談やらコラボをしていたんだけど、
このスタイルは価値があるんじゃないかなとおもう。

 → チャットモンチー - バスロマンス (with蒼井優)
 → 黄金の月 - スガシカオ×ポルノグラフィティ

いま、近いものとして「THE FIRST TAKE」というのがあって、

こちらは逆に真っ白なスタジオで一発撮りをしているんだけど、

これはCD録音でもライブでもない方向性でおもしろい。

 → KANA-BOON(谷口鮪)×ネクライトーキー(もっさ) - ないものねだり

 → 鈴木雅之 - DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理

 

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作り込む方向ってオンラインの必然性が薄くなるよね。
だからってライブのダイレクトさに即時性は敵わないし。
その対称軸の中にいる限り中途半端になると思うから、
やっぱり第三の選択肢だなと思う。答えは持ってないけど。

ライブ会場に足繁く通って見たいだけ見てた人間にとって、
いつでもどこでも見られるとか、年齢層が広がるとか、
配信ライブの(すぐ思い浮かぶ)メリットが享受できないんだよな。

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BGMは OKAMOTO'S の 10'S BEST (Al)
Disc2のバランスを取ってる感じがすごくいい。