2015年11月3日(火・祝) 14:00開演 @サントリーホール


メンデルスゾーン: 序曲『フィンガルの洞窟』 op.26
ベートーヴェン  : ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 op.37
ブラームス    : 交響曲第1番 ハ短調 op.68


(アンコール)

ショパン
  :24前奏曲 変ニ長調 op.28-15 「雨だれ」 (ピアノ・アンコール)
グリーグ   :2つの悲しい旋律から「過ぎし春」 op.34-2
モーツァルト :オペラ『フィガロの結婚』序曲

ピアノ:ユリアンナ・アヴデーエワ
指揮トゥガン・ソヒエフ
ベルリン・ドイツ交響楽団

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トゥルーズ・キャピタル管以来2度目のソヒエフの演奏会。

今回は元ベルリンRIAS響と言う名前でフリッチャイやマゼールの

演奏に親しんだオケ。その昔、豊田耕児さんがコンマスだった

事を誇らしく思った懐かしいオケです(BPhで安永さんがコンマスに

なる遥か昔の話です)。


今日の白眉はアヴデーエワと協演のベートーヴェンの

ピアノ協奏曲3番でした。弦楽器セクションのトップが

ピアノにくっ付くくらいぴっちりとピアノの周りに集まった配置は

ピアノとオケの緻密なコラボになりそうな予感。

アヴデーエワの細身の美音を生かすようにオケに徹底的に弱音を

要求するソヒエフ。こちらも息をつめ神経を集中して聴きました。

粗っぽい演奏になりがちな3番をしっかりと楽しませて

いただきました。今日の席からソヒエフ越しに見える

アヴデーエワが出だし部分でオケに目を配りながら

曲に入り込んでいく表情の変化やソヒエフとのやり取りなど

視覚的にも魅力的でした。アヴデーエワと言うとショパンの印象が

あるせいかも知れませんが、異色のベートーヴェンでした。

アンコールで久しぶりに聴く「雨だれ」も素敵でした。


後半のブラームスの1番は、ステージ一杯に広がった

オケが冒頭からしっかりしたサウンドを響かせて期待通りの

ブラ1でした。1楽章の繰り返しをしなかったのも好感が持てました。

それにしてもこのオケ、良く鳴ります。ソヒエフの指揮も

単なるボウ振りではないところに只者ではないことを感じさせ

られました。

アンコール2曲目のフルオーケストラによるフィガロの結婚序曲、

大サウンドのフィガロは爽快でした。