英国ロイヤルオペラ2015日本公演

2015年9月13日(日)15時開演 @ NHKホール


モーツァルト 「ドン・ジョバンニ」(全2幕)


指揮:アントニオ・パッパーノ
演出:カスパー・ホルテン

ドン・ジョヴァンニ:イルデブランド・ダルカンジェロ
レポレロ:アレックス・エスポージト
ドンナ・アンナ:アルビナ・シャギムラトヴァ
ドン・オッターヴィオ:ローランド・ヴィラゾン
ドンナ・エルヴィーラ:ジョイス・ディドナート
ツェルリーナ:ユリア・レージネヴァ
マゼット:マシュー・ローズ
騎士長:ライモンド・アチェト

管弦楽:ロイヤル・オペラハウス管弦楽団
合唱:ロイヤル・オペラ合唱団

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今日は英国ロイヤルオペラ「ドン・ジョバンニ」の初日でした。

今回の日本公演は行く予定が無かったのですが、8月になり

ぴあスペシャルシートの発売があったのでチケットを

買ってしまいました(^_^.)


今日が初日であと2回公演があるのでネタバレ的なブログは

止めたいと思いますが、私には完璧な演奏でした。

ドン・ジョバンニの地獄落ちのあとの6重唱を聴いていると

思わず胸にこみ上げてくるものがありました。モーツァルトの

オペラでこんな感情がわきあがると思っていなかったので

自分自身でも驚きました。


何よりも主役の歌手たちの歌声の素晴らしさ。ドンジョバンニの

ダルカンジェロは昨年夏のザルツブルグ音楽祭でエッシェンバッハの

ドンジョバンニを聴いていたので2回目です。ザルツブルグでは

時差による睡魔との戦いの中、動き回っていたダルカンジェロの

姿しか覚えていませんが、今回はしっかり彼の歌を聞かせて

いただきました。地獄落ちの場面などを見ていると現代最高の

ドンジョバンニと言うことが実感できました。うれしかったのは

ドン・オッターヴィオでローランド・ヴィラゾンに会えたことです。

ネトレプコとの「椿姫」のあとネトレプコとの組み合わせで人気を

博した彼ですがのどを痛めたとか聞いていたので今回

ドン・オッターヴィオで彼のナマ歌を聴けたのはうれしかった。

ちょっとイタリアオペラ的な感じもしましたが存在感のある

ドン・オッターヴィオに出会えてうれしかった。

ドンナ・エルヴィーラのディドナート以外は名前も知らなかった

女性陣3人は全員が個性的な歌声で素晴らしかったです。

ディドナートは予想通りでしたが、ドンナ・アンナのシャギムラトヴァ

と言うソプラノの艶やかな声が一番のお気に入りでした。
ちょっと特異な容貌ののレポレロは声も大きいし芸達者。

全ての場面の独唱も重唱も完璧でした。


NHKホールの広い舞台と照明をうまく使った演出も

演奏をより盛り上げる効果があったと思います。

ワクワクしながら舞台の移り変わりを楽しんでいました。

演出もおかしな部分がほとんど無くてコミカルな場面では

観客の笑いもしっかり引き出していました。

最近観たザルツブルグ音楽祭や新国立劇場の演出より

遥かにすばらしかった。


最後はパッパーノとオケ。小さめの編成のオケと

パッパーノ自身のフォルテピアノ演奏でレシタティーボの

伴奏。パッパーノは毎年、オペラや演奏会で聴いていますが

今夜も絶好調。オケから艶のある音色を引き出して

ロマンティックな香りもするモーツァルトは強力な歌手陣と

一体となり今まで聴いたことのない感動が湧き上がる

ドン・ジョバンニでした。

3階正面3列目の席でステージまでは遠いですが、周りにも

恵まれてひたすら音楽に浸れるとても良い席でした。

帰り道では「もう一度聴きたい」と強く思ってしまった、、、、

そんな演奏でした!(^^)!  → でも我慢しますよ (笑)