2月24日(火) 19時開演 @ サントリーホール


R.シュトラウス:メタモルフォーゼン(変容)
 [23の独奏弦楽器のための習作]

ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 <ハース版> 


クリスティアン・ティーレマン指揮
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
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ティーレマン・SKD演奏会の二夜目。
前夜はP席最前列、昨夜は2階C-12列と言う
最後部の席。ステージが遠く見えます(^v^)
ステージ前方に座るのは久しぶり。


前半はメタモルフォーゼン。ティーレマンと
23人の弦楽器奏者が心をひとつにした暖かな
響きの演奏。ホールの空間でブレンドされた
最高級の柔らかな響きが私の席まで伝わって
きました。
ジークフリート牧歌やメタモルフォーゼン。
小さめの編成の曲を演奏するティーレマンと
SKD、本当に素敵でした。


後半はブルックナーの9番。今回の演目の中で
一番楽しみにしていた曲でした。ガツンとくる
演奏を予想していたのに対し、ソフトフォーカスの
演奏でした。これはどんなに大きな音になっても
刺激的な響きにならずあくまでもまろやかな響きが
保たれるところに原因があるように思えました。
ベルリンフィルで聴いた背筋が寒くなるような
響きでは無くあくまでもまろやかな響き。


1楽章のコーダの不協和音も何故か優しく聞こえました。
2楽章スケルツォのデモーニッシュな開始部分も
とても優しい。いつもこの曲を聴くと寂寥感に襲われる
3楽章のコーダも美しい響きに酔いしれる。

非常に独特な9番だったと思います。

数年前に同じ位置で聴いたハイティンク、シカゴ響の
9番では会場最後部席にも係らずうるさいくらい強烈な音が
耳に届いた思い出がありますが、SKDの柔らかな響きは
私の耳にはとても心地よく感じられました。


前夜、昨夜とも演奏終了後のフライング拍手やブラボーは
全く無し。これもティーレマンのオーラのせいか(笑)
とても素晴らしい体験ができた二晩でした。