一昨日の「さまよえるオランダ人」の補足を忘れないうちに。


5回シリーズのうちの4回目のせいか東響も比較的安

定していて安心して聴く事が出来ました。
ホルンも頑張っていましたし、弦セクションもそれなりに
厚みを感じさせるパワーが出ていました。

飯森さんが作りだすワーグナーは何か和の香りを

感じさせる品の良い演奏。どんなに激しい場面でも

ゴリゴリっとくるあくの強さは皆無で”寸止め”の

ワーグナーと言ったところ。それが独特の雰囲気で

聴き易い演奏になっていたかもしれません。


オランダ人役のトーマス・ヨハネス・マイヤー、ゼンタ役の
リカルダ・メルベート、ダーラント役のラファウ・シヴェク
主役3人のバランスが非常に良くて聴きごたえのある

アンサンブルが聴けました。独唱ではメルベートの

「ゼンタのバラード」が特に印象に残りました。

金切り声にならず情感豊かな歌唱に思わず

引き込まれました。遠くなので体型も気にならない(*^^)v

マリー役の竹本節子と舵手役の望月哲也は2012年の

公演でも同じ役を歌っています。特に竹本さんの

マリーはとても安定していて日本人の活躍を嬉しく

感じました。


この歌劇は合唱が重要でもあり聴く側の楽しみですが

新国立劇場合唱団の男声合唱は力強く迫力満点で

素晴らしかったです。
「糸紡ぎの合唱」の女声合唱も良かったですが、

少しこじんまりと纏まり過ぎたか?村の娘にしては

上品な感じでした。


今回はセット割引と高齢者割引を利用して3階中央3列目の

B席が9000円弱でした。この辺りは高齢者の割り当て席なのか
比較的年齢層が高かったですが、誰もがマナーが良くて
演奏に集中できたことが良かったです。


オペラグラスを持って行かなかったので舞台上の歌手の
表情や衣装についてはなどは良く分かりませんでした。
個人的にオペラ公演で東洋系の歌手の容貌に違和感を
感じてしまうので舞台から遠い席の方があまり気にならなくて
良かったです。

(オペラグラスは使いこなせないのでほとんど使わないです)。


ワーグナーは数人の実力のある歌手とそこそこのオケで
聴かせてしまうところが面白い。モーツァルトでは
こうはいかない(*_*) そう思っています。