カラヤンは全曲録音からの抜粋。 B面が2幕2場の愛の場面。
A面は1幕3場のイゾルデのタントリスの歌と3幕3場の愛の死。
最近もライトナーの名演を聴いたばかりですが、今夜は
デルネッシュのイゾルデ、ヴィッカースのトリスタン、ルートヴィヒの
ブランゲーネでB面の愛の場面を聴きました。やはりカラヤンは
カラヤン。こんな全曲録音から切り取られた一部を聴いただけでも
このオペラのもっとも魅力的な場面を本当に艶っぽく聴かせて
くれました。 ワーグナーの楽劇の中でこの場面が一番好きです。
この演奏でもルートヴィヒのブランゲーネがすばらしかった。
デルネッシュの歌うイゾルデの愛の死はカラヤンとベルリンフィルの
壮絶なサウンドとともにこの楽劇の全曲を聴き終えたような充実感が
感じられました。最晩年のカラヤンがジェシー・ノーマン、ウィーン
フィルとのライブ録音は何か違和感を感じたのですが、気力が充実した
時期のこちらの演奏は本当に感動的でした。
続いて思わずニルソン、クナパーツプッシュの定盤も聴いてしまいました。
この演奏を始めて聴いてから半世紀近く経ちます。 デルネッシュ、
カラヤンの演奏に比べると録音を意識してか少しよそ行きの演奏に
聞こえました。今夜に限って言えばカラヤンのほうが楽しめました。