こたの音楽三昧

2013年11月18日(月) 19:00開演
@サントリーホール


シューマン:交響曲 第1番 変ロ長調 作品38 <春> 
プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 作品19 
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サイモン・ラトル
樫本大進(ヴァイオリン独奏)
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前の日に凄絶なウィー・フィルの「第九」を聴いたばかりの
同じ会場でラトル・ベルリンフィルの演奏会を聞けるなんて
海外の有名な音楽祭であまり無い事でしょう。


昨夜の演奏会を聴き終わって、最初に感じた事は約2週間
ベートーヴェンの交響曲、ピアノ協奏曲にどっぷり漬かった
自分にはシューマンやストラヴィンスキーで同レベルの
感動を得る事が難しかったと言う事でした。スタブラバ率いる
ベルリンフィルでメイヤー、ブラウ、オッテンザマー他名手たちの
演奏に聴き惚れながらもベートーヴェンと言う偉大な作曲家の
作品により一層の郷愁を覚えてしまう演奏会になって
しまいました。


特に冒頭のシューマンの「春」の見事なアンサンブルを
聴きながらも 覚めている自分がいました。


そんな中で休憩後のプロコフィエフが昨夜の最大の収穫でした。
樫本さんのソロ(1674年製アンドレア・グァルネリを使っている
らしいですが)本当に気持ちのこもった集中力の高い演奏で
こちらも雑念を無くしてこの細やかな曲を堪能する事が出来ました。
できればもっと身近な席で聴いてみたかったです。プロコフィエフを
振るラトルは素晴らしい。

アンコールで樫本さん弾いてくれたバッハの無伴奏パルティータ

3番から「ガボット」がまさにため息の出るような美演でした。

名人の手すさびのようにさり気なく弾き始めて感興の赴くまま
自在なテンポを強弱、そして各所にちりばめられた装飾音。
こういう形式にとらわれないバッハは聴き易いですし最高でした 


ラトルさんは舞台上でサラ嬢のとなりにチョコンと座って楽しそうに

拍手をしたり 話したり・・・(英語?それともドイツ語?)


最後の「春の祭典」でようやく登場した真打ドールさん率いる8本の
ホルン始め所狭しと展開したオケ。冒頭のシュワイゲルトさんの
ファゴット。長めの入りからビブラートのかかった美音が聞こえて
くるとそこはラトルとベルリンフィルの独壇場。どんなに大きな音を
出しても響きが飽和する事が無い素晴らしい演奏でした。
最近発売されたSACDではあまりにも安定しすぎて面白みが
感じられなかったのですが、生演奏では真っ正直に曲に立ち向かう
ベルリンフィルの魅力をじかに感じる事が出来ました。


今夜、ブルックナーの7番を聴きます。2年前に聴いた9番で
度肝を抜かれた指揮者とオケ! 期待しています。