ウィーン響演奏会

サントリーホール 19時開演 2階RA-3-6 (B席)


モーツァルト: フィガロの結婚序曲

ブラームス: ヴァイオリン協奏曲ニ長調

ブラームス: 交響曲第4番ホ短調


アンコール

レーガー: 無伴奏ヴァイオリンのためのプレリュード ト短調

J.シュトラウス2世: 春の声

J.シュトラウス2世: トリッチトラッチ・ポルカ

J.シュトラウス2世: 電光と雷鳴


庄司紗矢香(Vn)

大野和士 ウィーン交響楽団


こたの音楽三昧

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今夜の演奏会は2階正面で空席が目立ちましたが、聴きに行った

甲斐のある演奏会でした。

ウィーン響のふくよかな響きを堪能しました。サントリーホールいっぱいに

響き渡る大音響。良いオーケストラでした。数年前に同じホールで聴いた

ルイージとの組み合わせは緊張感無い演奏でしたが、今回の大野和士

との組み合わせはウィーン響の実力が発揮された良いほうの結果と

なりました。


今回の演奏会の白眉は庄司紗矢香の独奏によるブラームスの

ヴァイオリン協奏曲とアンコールで演奏されたj.シュトラウスの名曲3曲

でした。


庄司紗矢香の弾くブラームスは1楽章の序奏で大編成のオケの中から

彼女のくっきりとしたVnが浮かび上がってくるとそれだけで感動モノでした。

あのか細い身体のどこからあれだけの力強い響きが出てくるのか。

1楽章のカデンツァでの彼女の集中力の高い演奏にすっかり魅了されました。

2楽章のオーボエのソロもウィーンの鄙びた響きが何ともいえない雰囲気を

醸し出し 庄司のVnとともにうっとり聞きほれました。3楽章のリズム感

あふれる演奏、久しぶりにこの名曲をライブでしっかり聴かせて

もらいました。この組み合わせで録音して欲しいです。

アンコールはレーガーのプレリュード ト短調。庄司のダブルストップ奏法は

本当にきれいな和音を奏でてブラームスのカデンツァと同じようにいつまでも

聴いていたくなる演奏でした。


休憩後のブラームスの4番は大変な熱演となりました。1楽章は

流麗に流れるのではなくフレーズごとに表情やテンポを微妙に変化

させていたのが大野の意図なのかウィーン響の伝統なのか興味が

沸きました。4楽章の後半のフルートソロでも独特の節回しを感じましたが

これも大野の指示なのでしょうか。アジア系のフルート奏者は魅力いっぱい

でした。


交響曲の後はあっさりとJ.シュトラウス2世の名曲3曲をサービスして

くれましたが、久しぶりに聴く本場ウィーンのオケの爆演は最高!

すばらし過ぎてブラ4の印象が薄れるくらいでした。ウィンナ・ワルツや

ポルカには苦手意識が強いのですが、こんな演奏なら聴いてみたいと

言う気持ちになる演奏でした。


あさってのベートーヴェンが楽しみになってきました。大野和士に

期待です。