1. 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」op.28(R.シュトラウス)
2. 交響曲第4番ホ短調op.98(ブラームス)
3. 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲(ワーグナー)
1969年5月20日東京文化会館
(NHK収録のステレオライブ)
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1968年に亡くなったカイルベルトの没後35周年で発売されたライブ録音。
確か数年前にTower Recordの店頭で”限定再発売”と言うビラを見て
購入したと思います。併せて「英雄」他のCDも購入。
購入直後に聴いただけでそのままになっていました。
因みに「英雄」は未開封((+_+))
ブロムシュテット、バンベルグ響の演奏会が縁でこのCDを聴く気に
なりました。
正直言ってあまり期待しないで聴き始めたのですが、1曲目の”ティル”から
充実した響きに魅せられてしまいました。色彩的には単色系の
サウンドですが潤いがある音は如何にもドイツ。何故、前回は
気付かなかったのだろう?”渋くて滋味豊かで、それでいて激しく
燃焼する気迫が音楽の底に流れている”とAmazon(!)で読みましたが
その通りでした。
続くブラームスの4番。この曲は昔聴きすぎたせいかいささか食傷気味。
特に出だしのヴァイオリンで聴く気が無くなってしまう事が多いです。
カイルベルトの場合は本当にさり気なサラッと始まるのでこちらも
耳をそばだててしまいます。武骨な響きかも知れませんが、決して乾いた
演奏になっていません。淡々と進めながら迫力満点で充実したブラームスは
素晴らしかったです。妙にセンチメンタルにならないところが好感を持てます。
「マイスタージンガー」はアンコールと言う事もあるせいか伸び伸びした
名演でした。
先日のバンベルグ響の響きもカイルベルトの頃の響きが基本にある事を
改めて感じました。これからも土臭い伝統を守って欲しいオケです。