読響第512回定期演奏会
サントリーホール、19時開演
ショスタコーヴィチ/交響曲 第1番 ヘ短調 作品10
ブルックナー/交響曲 第3番 ニ短調 WAB.103
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
読売日本交響楽団
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読響の桂冠名誉指揮者と言う難しい称号を持つスクロヴァ氏の
演奏会でした。スクロヴァ氏は2~3ヶ月に一度聴いています。
前回は12月末のN響との第九。今でも印象に残る名演でした。
そして今夜のプログラム。ショスタコーヴィチの交響曲第1番と
ブルックナーの3番と言う珍しい組み合わせ。ショスタコーヴィチ
の1番の出だしは様子見のような手探り状態を感じましたが、
すぐに調子の良いときの読響だったと思います。
弦楽器の音程が揃っていて気持ちが良かったです。
スクロヴァ氏のショスタコと言うのは意外に合っていました。
後半のブルックナーの3番。1楽章は早めのテンポでしたが
早くなったり遅くなったり自由自在でした。自分としては
2楽章、3楽章がとても良かったと思いました。特筆すべきは
今夜のビオラパートの素晴らしさ。全員が一体となって
弾いていました。特にフォルテ部分では弓をいっぱい
使って。あれは良かったです。舞台に見とれていて
気付いたのはVnはトップから一番後ろまでほぼ同じ高さなのに
対してビオラは後ろの方を高くしていたこと。あくまでも推測ですが
ビオラの音を前に出したかったのではないかと思いました。
ペットとホルンが残念。
個人的にはもっとゆったりして音の響きに溺れるような
ブルックナーが好きですが、今夜の演奏はかなり高い水準
だったと思います。金管が弱いのは日本のオケ共通の課題
でしょう。贅沢を言えばもっとレベルの高い海外オケで
スクロヴァ氏のブルックナーに浸ってみたいと感じています。